□10 ページ10
.
私はもっと遅くても別に平気だが、店長曰く若い子が襲われる確率高いんだからという事で明るい内に帰れる様にとこの時間帯になってしまった。この店は21時からは夜の店に変わり、成人済みの人しか入れなくなるのも、私がすぐに帰らなくてはいけない理由に含まれているのかもしれない。
彼の質問に答えれば彼は一瞬悩んだ素振りを見せた後、直ぐに私に指を差して送ってやるから先帰んなよ。裏口で待っててやる、と何故か名前も知らない白髪さんに送られる事になった。勿論断ろうとしたのだが、断ったら殺すと言われている様に錯覚してしまうくらい鋭く睨み付けられてしまった。
彼が店から出ていき、バイトが終わる時間になった。店長に挨拶をして裏口から外に出ればいちごミルクを片手に不良がやりそうな座り方で待っている白髪さんがいた。
「す、すみません。待たせてしまいました…。」
「別に、俺が待つって言って勝手に待ってただけだし。」
ほら、行くぞと私に背を向け歩き出す彼に駆け寄る。暫くはずっと会話はなく、ただ気まずい空気だけが流れていた。チラリと隣を歩く白髪さんを横目で見てみる。睫毛が白い…という事は白髪も地毛なのだろうか。本当に端正な顔立ちをしている。女性にモテまくりなんだろう。
彼の顔を見て溜息を吐いた。何故か家まで送ってもらっているだけだが、隣にいるのがこんなにイケメンだと私の顔面との差があり過ぎて心が死にそうだ。
「…あの、お名前なんて言うんですか?」
「………五条悟。」
「は、はぁ、いいお名前ですね。」
「ホントに思ってんのか?」
反応の仕方が微妙だったせいか疑われてしまった。失礼すぎるこの男。私は本当にいい名前だと思っているのに。何だか金持ちの苗字みたいで、元貧乏の私にとって嫌いなものはお金持ちの人なせいなのか少しだけ吐き気がして一歩だけ横に移動して彼から離れた。
.
805人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
muu(プロフ) - けさん» コメント気づかず、そして返信も遅れてしまい申し訳ありません。短編集公開の決め手はあなた様のコメントでした。嬉しいお言葉ありがとうございます。私の作品を探してくださってありがとうございます。け様こそこれから幸せでいてくださると私が嬉しいです。 (2023年4月2日 10時) (レス) @page45 id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
け - どんな回答であっても飲み込むつもりでいます。どうか御返事をお願い致します。そして、貴方のこれからに良き風が吹く事を願っております。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - そこから、「この作者の作品を全表示」から飛んでやっとの思いで短編集に辿り着く事が出来ました。ですが、パスワードが掛かっており、拝見出来る状態ではありませんでした。そこで冒頭でも言いました様に、パスワードを誠に恐縮ながら教えては頂けないでしょうか。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 見終わっても何回も読み返す程でした。その時丁度スマホの機種を変えてしまって(引き継ぐのを忘れてしまって)主さんの作品と約一年程離れてしまいました。そして、何度か検索を繰り返しているうちにやっと主さんの短編集の関連作品と出会えました。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 夜分遅くにすみません。お手数掛けますが、主さんの作品の一つである「大大大大大大大大大大大好き」という呪i術i廻i戦の短編集について、一つお伺いしても宜しいでしょうか。私は以前、(といっても大分前)にその作品が題名の通り大好きで、文字数↓ (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ