検索窓
今日:2 hit、昨日:47 hit、合計:688,099 hit

ページ11




母さんの自室の前まで来ると、一度深呼吸をする。毎朝母さんを起こす時も必ずしているが、本当に何度やっても慣れない。母とは言え初恋の人の部屋に入るのだ。緊張くらいして当然だろう。



「お母さま、今大丈夫?」



声をかけても反応がない。もしかして何かあったのではと失礼を承知で直ぐに襖を開けた。視線の先には本に囲まれて眠る母さんの姿があった。

何も無くて良かったと安堵したが、眠っている母さんを見て先程のいばら姫の話を思い出す。ゴクリと生唾を呑み込み、襖を閉めてゆっくりと母さんに近付いた。

眠る母さんの顔は毎朝見ているから大分耐性はついた筈なのに脳裏にいばら姫の話がこびり付いているせいかドキドキと心臓の鼓動が速くなった。



「……してもいい、よな?」



母さんの傍にしゃがみ込み頬に手をそっと添えて、ゆっくりと自分の唇を母さんの唇に近付ける。あと数センチ、あとちょっとで、という所で勢いよく襖が開いた。



「A様!…あれ、悟坊っちゃま、何故此処に?」

「っ、」



直ぐに離れたから見られてはいないと思うが、何だこの使用人。声かけも無しに襖を開けた事について文句を言いたいけれど母さんがいつ起きるのか分からない手前口調を戻す訳にはいかない。

使用人の説教は後にして心地良さそうに眠る母さんを起こす事に多少の罪悪感が湧いたが、これ以上この使用人に大事な母さんの寝顔をずっと見せている状態も嫌だ。母さんの身体を揺らして起こせば、トロンとした様な表情で母さんは起きた。


▽→←第三話:目覚めの魔法のキス



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (925 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2095人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , ヤンデレ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

muu(プロフ) - わっぱみがき#上弦の弐#万世極楽教#絶賛教祖中さん» コメントありがとうございます♡気に入っている設定でしたので褒めて頂けて嬉しいです。嬉しいお言葉ありがとうございます! (11月18日 18時) (レス) id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
わっぱみがき#上弦の弐#万世極楽教#絶賛教祖中 - 突然すみませんこの作品めちゃめちゃ好きです。設定神だし、その発想力人生何周したら手に入るのか、、、文才もあって発想力もある……(゜ロ゜)?!もしや作者さんは神という存在なのか?! (11月16日 10時) (レス) @page5 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 突然すみません以下同文です…… (2022年7月30日 13時) (レス) id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
miyu - 突然すみません大大大大大大大大大大大好きのパスワードを教えてくれませんか? (2022年6月18日 21時) (レス) id: b50d43723e (このIDを非表示/違反報告)
ビター - 突然すみません大大大大好きのパスワードを教えてくれませんか? (2022年4月15日 19時) (レス) id: d05a01f832 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:muu | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2021年1月15日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。