十 ページ11
太宰は一瞬驚いた顔をしたかと思うと、嗚呼、と気が抜ける声をさせて、何時もの甘ったるい笑みを浮かべた。
「よくぞ聴いてくれた、敦くん!」
「あ、矢っ張り良いです」
「え〜」
まあまあ聴いてくれ給えよ、と太宰は促す。かくいう敦は、薄く猜疑の目線を太宰に向けて、押し黙った。
「今まで私は何回も自死を試みてきたけど、一向に死ねない。一緒に心中してくれる美女も現れない。川に飛び込んでも濡れるだけ。だからね、思ったのだよ。少し待てば、その美女が現れるのではってね、―――まさに果報は寝て待てということさ!」
「はぁ」
太宰さんらしい答えといえば、そう、だけど…。敦は太宰の答えに納得しながらも、矢張り違和感を覚えた。
あの太宰さんが、ジサツを止めるなんて。
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蓮ノ花 - 江羅古九さん、感想ありがとうございます!^_^はい、絵は自分で描きました!女の子の描き方ーみたいな本読みまくって描いた成果が出てたら良いんですけど笑笑 (2019年5月4日 21時) (レス) id: d96b011022 (このIDを非表示/違反報告)
江羅古九 - 文章の感じもそうですけど、絵が凄く上手いですね!!ご自分で書かれているんですか!? (2019年5月4日 21時) (レス) id: 651ad92b57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓮ノ花 | 作成日時:2019年4月14日 2時