10.迷いの先 ページ12
いつものステージ、いつもの武器、目の前にはいつも…
とは違うロボロくん。
感情は全くわからないが…ぼくもなんとなく今日は違う感じがする。
まあこの後皆とバトルするし、パッと終わらせないと。
「…ロボロくん、今日のバトルはちょっと設定変えたから」
「設定？」
うんと頷く。
「バトルに負けたらこっちの体のデータが消えて元の世界に戻る。…湿っぽいのは嫌いだからさ」
なんとなく察したようでわかったと言うロボロくん。
その数秒後…『ready fight』と文字が流れる。
いつもの通り剣を構えロボロくんに向かう…
…おかしい。
いつもは楽しいのに、ワクワクしてるのに、
今日は何も感じない。
なんで、なんで。
訳もわからずただひたすらにロボロくんの体力を削っていく。
これで勝てる！終わる！それでいいじゃないか！
なのになんで、なんで！！
モヤモヤした気持ちのまま、ぼくは剣を降り下ろした。
.
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ｷｨﾝ‼
「そこまでだ、二人とも」
「…え？」
目の前に現れた黒い服の男はぼくの剣を意図も簡単に止めた。呆然としていると
「グ、グルッペン！？なんで…」
ロボロくんがそう言って男に近づいた。この人…ロボロくんの知り合いなのか？
「話は後だ、お前がロボロの対戦相手か。見たところAIではなさそうだな」
「…？ああ、ぼくは人間だ。ちゃんとしたプレイヤーだよ」
そうかと言って男は背を向ける。何がどうなっているのやら…と考えていると
ﾋﾞｰｯ！！ﾋﾞｰｯ！！
「なっ！？」
突然空が『error』の文字で埋め尽くされた。
「な、なんや！？」
「始まったか…」
男は顔色を変えずそう言う。
「…ねえ君、なにが起こったのか知ってるの？今ここでなにが起ころうとしてるの？」
にらみつけながらそう聞くと男は一息ついて話し出す。
「…今ここで起きているのは、一種のサイバーテロだ」
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作者名：326 | 作成日時：2017年9月9日 11時
