NO41 ●自覚 ページ42
「・・・」
チラッと横にいる彼の顔を見上げる。
夜空の中、オレンジ色の光に灯されたその横顔はとても美しく、ランタンの光が彼を暖かく包み込んでいるように見えた。
「…こんな綺麗なお祭りが見れて本当に嬉しいです、とても良い思い出ができました。今日はありがとうございます。」
視線を下に戻して彼に伝える。
「これ、もう終わりなの？」
「今年は今日で最後だった筈です。毎年年に一度ランタン祭りは開催してるみたいですよ。」
「ふーん。オレ、もうあの飴はいらないから。」
「・・・」
また一緒に来てくれるってことなんだろうか・・・。
ゆっくりと彼の方を見上げる。
「何？」
イルミもまた、Aを見下ろしていた。彼の瞳に映る自身の姿を見て思わず視線をそらしてしまった。
「(私、好きなんだ、イルミさんの事…)」
ようやく自分の気持ちに気づいたA。
「イルミさん、ありがとう…。」
「何か言った？」
「いえ何も…。」
彼に握られたままの腕が熱くて仕方なかった。
「(終わっちゃった・・・)」
祭が終わり、周囲の人達がその場から帰っていく。
「イルミさん、私達もそろそろ帰りましょうか…」
その後は何も話せないまま歩いていた。
彼から話しかけてくることもなく、自身も自分の気持ちに気づいた恥ずかしさから何も話せないでいた。
20分程の時間だったが、Aにはとてもとても長く感じた。
「イルミさん、今日は本当にありがとうございました。」
「あの…」
家に着いてもAを捕んでいた腕を離す気配が全くなく、思わず視線をその手に向けながら口に出す。
「あぁ、はい。」
まだ掴んだままの状態だった事に自分でも気づいていなかったかのような反応をしてからすぐに離してくれた。
「・・・」
離された後も捕まれていたその箇所はまだまだ熱くて。
「…また、一緒に行けたら嬉しいです。」
「あの飴はもういらない。」
振り絞って出した言葉にあっさりと返してくれる。やっぱりりんご飴はお気にめさなかったみたいだ。
「そうですね、次はまた新しい物も食べたいです！タコさんウインナーも！」
「食い意地だけは凄いね。その意地、何か他の事に使ったら？」
「…考えておきます。」
「じゃ、オレ行くから。」
「おやすみなさい・・・！」
「おやすみ。」
横目でそう返すと一瞬でその場から去っていった。
「(どうしよう・・・。)」
自身の気持ちに気づき、初めての感情に戸惑うAだった。
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301(プロフ) - りるさん、こんにちは！コメントありがとうございます。楽しみにして下さってるとの事、本当に嬉しいです、こちらこそありがとうございますm(_ _)m！頑張りますので、引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです、応援ありがとうございます！！ (9月12日 1時) (
レス) id: 3b087320c1 (このIDを非表示/違反報告)
りる - こんにちは！毎回楽しみにさせてもらってます！面白いお話いつもありがとうございます！これからも楽しみにしてます。応援してます(^_^)♡ (9月11日 23時) (レス) @page37 id: ae58220bdc (このIDを非表示/違反報告)
マロン。(プロフ) - 301さん» いえいえ！私も遅い可能性もあるのでお互い様です！お互いに助け合いましょう！ (9月2日 14時) (レス) id: 7635f584c7 (このIDを非表示/違反報告)
301(プロフ) - マロンさん、ありがとうございます！先程返信しました、返信遅くなってしまってすみませんm(_ _)m (9月2日 11時) (レス) id: 3b087320c1 (このIDを非表示/違反報告)
マロン。(プロフ) - 301さん» 後ですが、もしボードの操作に慣れてない場合は私、教えるので言ってください！ (9月2日 9時) (レス) id: 9d86f2e53b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：301 | 作成日時：2023年8月16日 15時
