光と闇 第二章【HUNTER×HUNTER】

NO32 ●ガーベラ ページ33

「イルミさん、お誕生日おめでとうございます！」

「・・・何これ？」

「お誕生日プレゼントです！イルミさんの髪の毛とっても綺麗だから、特別良い櫛をずっと探してたんです！これ、ジャポンっていう国で作られた木の櫛で！これでとかすと、サンラサラになるんだって！イルミさん、すでにサラサラだからもっとサラサラになりますね！」


「(・・・。)」








「お前、今日誕生日だったろ。」

「まあああぁぁああ！！！あなた、覚えていてくれてたのね！嬉しいわ！！」
「まああああぁぁあああ！！！素敵な髪飾り！！！」


「(・・・誕生日？)」



「ゴトー」

「はい、イルミ様」

「誕生日って何？」

「産まれた日でございます。」

「オレにも誕生日あるの？」

「もちろんでございます。イルミ様は次の誕生日で6歳になります。人も生き物も皆、一年に一回、誕生日に歳を重ねていくんです。」

「あぁ、それが誕生日なんだ。ただ歳が増えてく日だと思ってた。」
「誕生日に物を渡すのはなんなの？」

「世の中ではそれを誕生日プレゼントと呼んでいます。誰かの誕生日に、その者へ大切な物を贈る事です。」

「ふーん。(今日は母さんの誕生日なんだ…。次の誕生日は来年…。)」






「母さん」

「あら、イルミ？！」

「これ…」

「まああああぁぁあああ！！！！あなた、こんなところで一体何をしているの？！？！1カ月訓練に行ってたんじゃなくて？！？！」

「・・・」

「早く戻りなさい！！あなたはゾルディック家の長男なのよ？！分かってるの？！」

「・・・うん。」

「全くもう、何考えてるんだか・・・」



「・・・」

彼が思い切り握りしめたその手に残っていたのは花びらも枝も跡形もなくぐちゃぐちゃになった、何の花だったのかも分からない、ただのちりくずだった。

NO33 ●櫛→←NO31 ●スーツ姿の

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