光と闇 第二章【HUNTER×HUNTER】

NO3 ●映画 ページ4

「(イルミさん、なんか怖い感じするな、ケーキ美味しくなかったのかな？)」
イルミの不穏な様子に気づくも、忙しさに気をとられていた。

「「ありがとうございましたー！！」」
「あ〜やっとピークが終わったね！」
「たくさん来てくれましたね！」
「Aが戻ってきてからまたこんなに客足増えたんだから本当にびっくりだわ、あんた、招き猫だね！」
「エイダさん、私人間です」
笑い合う2人を見ながら食べ続けている人物がいた。

「シャクシャクシャクシャク」

「あんた！Aの友達のギタラクルだったね！あんたも久しぶりだね〜！元気だったかい⁈その顔忘れもしないよ！」

「シャクシャクシャクシャク」

「元気そうで何よりです！ギタラクルさん、今日のりんごどうですか？」
「…甘い」
「良かった〜！」
「もう本当にこの子が戻ってきてから良いことばかりでねぇ、そうそう、この前商店街の抽選でこんなのも当たったんだよ」
そう言うと、奥からチケットらしきものを出してくる。
「好きな映画選んで見れるんだってさ！あたい、そういうの興味ないからね〜、Aにやるよ！」
「いいんですか⁈ありがとう、エイダさん！」
「(あ、2枚ある、2回見れるのかな？)」
「ペアで1組分だってさ！」
そう言いながらギタラクルに向けてウインクするエイダ。
「・・・」
「ペア？ペアって何ですか？」
「何だい、そんなことも知らないのかい！2人で見に行くってことだよ！」
指で2のポーズをでかでかとAに見せる。
「あぁ！2回分じゃなかったんですね！…エイダさんはいいんですか⁇」
「ちょっとね〜、興味なくてね〜」
チラチラとAとギタラクルを交互に見つめる。
「(どうしよ、レンズさんお家遠いしなぁ)」
そう考えていると後ろから突き刺さるような視線を感じて思わず振り返る。
「(イルミさん、映画興味あるかな…？)」
「ギタラクルさん、映画ってお好きですか？良かったら一緒にどうですか？」
「・・・別にいいけど。オレ以外行く奴いないだろうし。」
「そんなこと…」
ない、と言いたかったAだったが確かにエイダとイルミ以外で声をかけれる人物が思い浮かばなかった。
「何、いるの？」
痛い程の圧を感じる。
「いや、いないです…。」
「ふーん。」

ーガチャンー
新しい客が入ってくる。
「「いらっしゃい(ませー)！！」」
「お客様が来たので、続きはまた後で」
小声でイルミに伝える。
「カタカタカタカタ」
「(良かった、イルミさん映画嫌いじゃなさそう！)」

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