光と闇 第二章【HUNTER×HUNTER】

NO15 ●デート？ ページ16

「あ、イルミさん、そろそろ映画の時間になりそうです！」
携帯に表示された時刻を見ると10時50分になっていた。
「…その携帯使ってるの？」
彼が指摘してきたのはAが学校に行く事が決まり、初めてエイダと街に行って買ってきた携帯だった。
「え！使ってますよ！」
「オレの渡したやつは？」
「もちろん持ってます！」
そう言いながらイルミから貰った携帯をカバンから出してくる。
「あの、後から気づいたんですがイルミさんに貰った携帯だと、イルミさんとしかメールも電話もできなくって。検索機能とかカメラも付いてなかったので両方持ち歩いてるんです。」
「オレと連絡取る事以外に使うことあるの？」
「そりゃあります！こうやってカメラも使いたいですし、ネットを見たりもしたいので…」

「・・・」
Aの話を聞いても納得していない様子のイルミ。
「(え、何か怒ってる？)」
意外な反応に言葉が止まるA。
「あ、もう時間です！行きましょう！」



「とっても面白かったです！！」
興奮した状態でスクリーン会場から出てくる。

「良かったね。」
「本当に今日はありがとうございました！すみません、私の観たい映画に付き合わせてしまって…」
「別に。他に良さそうなのがなかったから。」
「もし良ければ、次はイルミさんの観たい映画を一緒に観たいです！」
そう言うと、あるポスターの前でイルミの足が止まる。

「・・・。」

「これですか…？」
そこにはア◯パ◯マンと書かれたポスターが。
「そういえば予告で流れてましたね！もう少ししたら公開されるみたいなので観に行きましょう！」
「うん。」
「(あれ、そういえばこれって…)」
レンズと見ていた恋愛ドラマをふと思い出す。
「私達、なんだかデートしてるみたいですね！」
「違うの？」
「え⁈」

真顔で返す彼の返答に自分が口に出した言葉が急に恥ずかしくなる。そういうつもりで言った訳ではなかった。ただドラマを思い出して何の気なしに思った事をそのまま伝えただけで…。
自らが言った言葉の意味の重大さに気づき顔を真っ赤にして俯くA。

「(あれ、私変な事言っちゃったかな…)」

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