光と闇 第二章【HUNTER×HUNTER】

NO14 ●ポップコーン ページ15

「次の人どうぞ〜」
「！！」
A達の順番が来て呼ばれる。
「あ〜えっと、あの、このチケットで引き換えたいんです！えーっと！！なんていう映画だったっけ…！」
あたふたしながらAが答えていると
「このチケット、11時からの吹替版ジ⚪︎マンジに換えて。」
イルミが慣れた様子で店員に伝える。
「11時からの吹替版ジ⚪︎マンジですね！座席はどこにしますか⁇」
「ここ。」
店員が見せてきた座席表を指差す。
「はい、こちらチケットになります！失くさないようお気をつけ下さい！」

「あ、ありがとうございました…。」
「別に。観たい映画の名前くらい覚えておきなよ。」
「返す言葉もございません…」
頭が上がらないAだった。

「(なんか良い匂いがする…)」
ふと横を見ると1人で黙々とポップコーンを食べている人がいた。
「(美味しそう…)」
その様子をジ〜〜〜っと見つめるA。
「…何、あれ食べたいの？」
「食べたいです」思わず即答する。
「はぁ、しょうがないな。オレ、並ぶの好きじゃないんだよね。」
そう言いながらフードコーナーの最後尾に向かっていくイルミ。
「すみません、あの、今日はなしで大丈夫なので！」
慌てて後を追うA。
「何、食べたくないの？」
足を止めた彼が振り向いて聞いてくる。
「食べたいです」

「あの、本当にありがとうございました…！」
5分程並んでお目当てのキャラメルポップコーンを買えたA。
並んでる間はイルミの嫌なオーラに怖気付いていたが、ポップコーンを受け取った瞬間の甘い香りで全てが吹っ飛んでいた。
「食べないの？」
「い、いただきます！！」
「・・・美味しい〜！！」
ほっぺを垂らしながら笑うA。
「良かったね。」
「イルミさんもどうぞ！美味しいですよ！」
「・・・」
「…甘い。」
「本当に！甘くて美味しいですね〜！」
「そうだ、写真撮っておこ！帰ったらエイダさんに見せよう〜」
そう言いながら嬉しそうに写真を撮る。

「(・・・Aのケーキの方が美味しい。)」

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