NO43 ●卒業 ページ44
あれからイルミは月に2、3度店に訪れるようになっていた。
そんな日々が3ヶ月程続いた頃。
「やったー！！ついに卒業できました！！」
「A、おめでとう！頑張ったねぇ、さすがAだよ！」
「ありがとう、エイダさん！」
「しかも首席だったんだって⁈凄いじゃないか！！卒業証書、店に飾っておかなくっちゃ！」
「エイダさん、それは恥ずかしいよ〜」
「(やった〜やった〜！これからもっと音楽の勉強も頑張るぞ〜！)」
その日の夜…。
「A、学校から手紙が届いてたよ」
「えー！なんだろう？」
「なんだろうね、開けてみておくれ」
「うん！えーっと・・・っっっ！！！」
「なんだいどうしたんだい、見せとくれ、なになに、、、あらま！A！」
「エイダさん、どうしよう…」
「どうしようって、凄いじゃないか！こんな事滅多にないよ！！」
「・・・。」
布団に横になりながら手紙の内容についてずっと考えていた。
「(ん〜どうしよう…せっかくのチャンスだから行きたい…ただその間お店はどうなるんだろう…エイダさん大丈夫かな…
イルミさんは・・・。)」
ーコンコンー
「A、入っていいかい？」
「！エイダさん！どうぞ！」
「Aの部屋、久々に入ったねぇ。相変わらず綺麗に使ってくれとるね」
布団に入っているAの側に腰掛ける。
「A、手紙の事、ずっと考えてるんだろ？」
「・・・。」
「迷うことない、行ってきな！」
「…エイダさん！」
「私がいない間、お店をエイダさん1人でやってく事になるんだよ⁈」
「そんな心配しなくとも、あんたが来る前はずっと1人でやってきたんだから大丈夫さ！あんたが心配することじゃないよ！せっかくのチャンス、逃したら許さないよ〜！」
「エイダさん…」
「ありがとう、A、私の事を気にかけてくれて。それだけで嬉しいよ。」
そう言いそっとAを抱きしめる。
「エイダさん・・・ありがとう・・・」
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作者名：301 | 作成日時：2023年8月7日 15時
