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NO3 ●歌 ページ4
「焼けましたよ！どうぞ！」
「・・・」
魚を受け取る。焼けた魚をまじまじと見ながら一口かじってみる。
「意外に食べれるね」
お気にめしたのかパクパクと食べ進めていく。
「良かった！ここらへんのお魚、とても大きくて脂がのっていて凄く美味しいです。おかげでなんとか命拾いしました。自然の恵みに感謝しないと。」
「・・・(変なこというやつだな。)」
「これ！これも甘くてとっても美味しいです！こんなに美味しい木の実がたくさんなっていてびっくりです！」
木の実を受け取りかじってみる。
「ふーん、今まで気にもしたことなかったから気づかなかった。確かに悪くないね。」
「ね！本当に美味しいです！こんなにたくさん食べる物があって綺麗な水もあるので、なんとかなりそうです！むしろ、ここで過ごしていたいくらい本当に綺麗な森ですね。」
「(綺麗な森？ここが？)」
ゆらゆらと揺らめく火の向こうに彼女の伏せた顔がとても綺麗に写っていた。
【〜〜。〜〜。】
空を見上げながら歌い始めるA。
不思議なことに、彼女が歌い始めたとたんあたりが暖かくなっていく感覚になり、今まで感じたことのない心地良い空気が流れてきた。
「ー−−」
「何それ？」
歌い終わると、少し驚いた様子の少年が聞いてくる。
「分からないんですが、なぜかこれは覚えていて…これを歌っていると落ち着くんです、子守唄みたいで…」
(念能力？でも何も視えなかった、気づかなかった、今のは一体…)
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作者名：301 | 作成日時：2023年8月7日 15時
