光と闇【HUNTER×HUNTER】 (ページ19)

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NO18 ●不思議な客ページ19

「ああぁ〜、もう朝かぁ…」
「朝ごはん準備してこよ…」
チラッと机に置いてあるノートが目に入る。
「あれ？私、開けたままにしてたっけ？」
(寝ぼけてて忘れちゃった？)

「「いらっしゃいませ〜！！」」
元気な挨拶が店内に響き渡る。
開店してすぐにお客さんが入ってきた。

「カタカタカタカタ」

「いらっしゃいませ！カウンター席とテーブル席、どちらがいいですか⁇」

「カタカタカタ」
男は黙ったまま1番奥のテーブル席を指差す。
「テーブル席ですね！こちらへどうぞ！」
「こちらがメニューになります！決まりましたらいつでもお呼び下さい！」
「カタカタカタカタカタカタ」
「(ちょっと変わったお客様だな)」

その後も他の客が何組か入ってきた。

キッチンに入るA。飲み物の準備は彼女の担当になっていた。
「(えーと、ミックスジュースとコーヒーと…)」

しばらくすると1番客が手を挙げる。
「はーい！今行きます！」
「ご注文、お決まりですか⁇」
「カタカタカタカタ」
指で指してメニューを伝える。
「紅茶ですね！テーブル4番さん、紅茶入りました！」
「あいよ！」
「カタカタカタカタカタカタ」
「(もしかして、お話できないのかな…)」

「お待たせしました！紅茶になります！」
「ミルクとお砂糖、ご自由に使って下さい、ごゆっくりどうぞ！」
ニッコリ微笑むA。
「カタカタ」

「｛エイダさん、あそこのお客さん凄いですね！｝」
「｛あたいも長いことこのお店にいるけどあんな客は初めてだよ｝」
こっそり話し合う2人。ただひたすらに紅茶だけを注文している1番客。すでに38杯飲み干していた。
39回目の注文を受けに行くA。思わず声をかけた。
「お客様、凄いですね！こんなにたくさん飲む方、初めてお会いしました！」
「カタカタカタカタ」

閉店時間になろうとしていたが、まだ1番客は座っていた。

「お客さん、悪いんだけどもう店じまいの時間なんだわ、また明日食べにきとくれ！
「カタカタカタカタカタカタ」
エイダにそう言われると黙って席を立ち会計にいく客。
「今日は本当にありがとうございました！またお待ちしてます！」

「…また」

「「！！！()！！！」」
2人同時に同じ気持ちになった瞬間だった。