光と闇【HUNTER×HUNTER】 (ページ15)

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NO14 ●エイダページ15

「お風呂ありがとうございました！」
「ん。あたいも入ってくる。早く髪乾かしな。風邪引くよ。」
「はい！」
(本当に何て優しいんだろう…イルミさんも店主さんも…私にできるお礼…考えなくちゃ…)

しばらくすると店主が戻ってきた。
「あー、仕事終わりの風呂は最高だね。疲れがとれるよ」
「店主さん！あの…」
「なんだい？」
迷いながらも思い切って聞いてみる。
「私、記憶がなくて…自分の名前もはっきり覚えてなくて…それなのにどうしてこんなに優しく受け入れてくださったんですか？」
「なんだい、断った方が良かったかい。」
「そういうつもりじゃないんです！ただ、ただ気になって…
すみま「冗談だよ、悪い悪い。」
「何で、ねぇ。…あんたが昔のあたいに見えたからかな。あんた程小さくはなかったんだけどね。あたいも昔、このお店の前の主人の味に惚れ込んでね！18の頃、主人に頼みこんだんだよ。お金はいらない、この店の味を教えてくれーって！そしたら主人がさ、いきなり味を教えるか！まずは掃除からだ！ってすんなり受け入れてくれてね！」
「・・・」
「本当に嬉しかったよ。それからは毎日頑張ってお店の掃除して、接客して、1年経ってから料理も教えてくれるようになってね！懐かしいねぇ。もう30年昔の話さ。」
「その主人が3年前に病気でね…それからはあたい1人でやってきたんだけどなかなか難しいんだなぁこれが。あの頑固主人の偉大さがよくわかったよ！」
「…私、全力でお店の力になります、なんでもします、色々教えて下さい！」
深々と頭を下げる。
「頭上げとくれ！あのお店もいつまでやってけるか…売り上げもほとんどないから給料はまともにあげられないだろうけどそれでも本当にいいのかい？」
「はい！もちろんです！よろしくお願いします！」
「娘ができたみたいで嬉しいねぇ、エイダっていうんだ。店主なんて水臭いからエイダって呼んどくれ！」
「はい！エイダさん！」
「疲れただろ、ゆっくりお休み、お店は11時から開くんだ。その前に必要なものを買い出しに行くよ！」
「でも！」
「それくらいなんとかなるさ。お給料渡せない分それくらいさせとくれ！その分しっかり働いてもらうよ〜！」
「はい！！」

一緒にベッドに入る。とても暖かい。
エイダと話していると誰かの姿が思い浮かんできた。誰だろう…。あの人も名前で呼んでいいのよって言ってくれていた…。
とても大切な人な気がする…。思い出したい。早く…そう願いながら眠りについた。