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「あきら、笹野さん!おかえりなさい!お使いありがとうねぇ」
家に帰るとニコニコした母さんが出迎えてくれる
「夕飯、笹野さんも食べてくでしょ?」
「ご迷惑でなければ、是非」
笹野さん分のお酒も買わせておいて白々しく聞く母
食べさせる気満々だったろうに
「あ、運転、大丈夫なんですか」
「大丈夫!今日は事務所に泊まるわ」
そうだった、事務所が近いんだった
母さんが料理を始めようとすると、すかさず笹野さんが声をかける
「お手伝いします」
「あらぁ〜ありがとう!でも今日は大丈夫よ!あきらとゆっくり待っててね」
「わ、ありがとうございます…」
母さんはこういう色事が大好きなのかわからないが、手伝うと言った笹野さんの背中を押しリビングから追い出す。俺も一緒に追い出された。
「…俺の部屋きます?」
「い、いいのかしら」
「母さん的にそういう意味だと思います」
付き合ってすぐに部屋に来るとは思っていないので、誘ったのは俺だが部屋綺麗にしてたっけ、と不安がよぎる
部屋の扉を開けると、俺にとってはいつもの風景が広がっているが、違うのは笹野さんがいるということ
「わぁ…あきらくんバレー大好きなのね」
「まあ、バレーしかやってこなかったんで」
部屋にはバレー用品や賞状、プロ選手のポスターなどがあるので、いやでも目に付く
丸い小さなテーブルを囲んで座ると、キョロキョロと笹野さんは俺の部屋を見る
「…恥ずかしいです」
「わ、ごめんごめん、つい」
そういえば、俺達はお互いのこと何も知らないような気がした
「笹野さん、部活とかなにやってたんですか?」
「私はねー小中でテニス部だったの。あきらくんはずっとバレー?」
テニス、笹野さんっぽい。
テニスをしてる笹野さん、かわいいだろうな
「はい、バレー以外あんま知らないです」
「すごいわね〜!高校は青葉城西?だっけスポーツ結構なんでも強いわよね」
「あれ、言いましたっけ」
「この前の告白…の時も今日も、ジャージに書いてたから」
あ、そういえばあの時ジャージだったな
「私も青葉城西テニス部の特待推薦きてたのよ〜!就職に決めてたから行かなかったけどね」
もしかしたらOGだったのかもしれなかったのか
学校に笹野さんが来るのとかちょっとイイな
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紫月とと - もう一話見た瞬間にグサッと心に突き刺さりました…💘😭 国見ちゃんの大人っぽさがより際立ってて雰囲気だいすきです!!! 歳の差恋愛系って中々ないので更新楽しみにしてます💭🫶🏻 (2月4日 7時) (レス) @page13 id: 50a88ed8c5 (このIDを非表示/違反報告)
れい - 好きです!(唐突の告白) 主人公が社会人…余り無いジャンルで面白いです!歳の差、って奴ですよね!そう言うのって時々切ないけどとても好きです! (1月3日 15時) (レス) @page8 id: e1c5f3df3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢月 | 作成日時:2023年12月20日 13時