今宵も6人の騎士様と醒めない夢を

愛しているなら言葉を教えて ページ16

💛
「そっか、ごめんな。気づけなくて。」

素直に、あなたに愛されていない気がすると伝えたA。
自分の伝え方が足りなかったのかと、過去を省みて反省してくれる彼を見て、自分が気付こうとしなかったことに気づく。
彼の優しさに甘えすぎていた。日本語では表しきれないほどのお人好しの彼に。
誰も悪くないのにね。

「お前は悪くないよ。俺が伝える事を怠っちゃったからだよ。ごめんな。」

本当に彼女は悪くないと信じているからこそ思わずこぼれてしまう謝罪の言葉。
何も悪くないのに、完璧で最高の彼なのに謝らせてしまったことにAにも罪悪感が募る。
そんなこと、彼が気づかないはずがないのに隠そうとすると、また、信用されていないのかもしれないと反省が始まってしまう。
何も悪くないよ。ただ、そばに居るだけで笑い合えるのに。

「俺は、Aの為ならなんだってする。だからさ？哀しみの涙を流すなよ。」

ずっとそばにいるから、ずっと隣で笑っていてほしい。
辞書にないくらいのお人よしだから自分は二の次、三の次。
彼がつらいときはあなたが抱きしめてあげるの。

「Aがつらいときはいつでもそばで抱きしめる。そのくらい大好きなんだよ。世界で、宇宙で一番。愛してる」










💚

「何言ってんの。」

彼の隣を歩けば嫉妬羨望の雨あられ。
彼には気づかないような視線の罵詈雑言の押し込められた視線の刃がむき出しの心に突き刺さる。
やっぱり、こんなにかっこいい彼の隣は自分なんかより、もっと大人っぽくて綺麗な美人が歩くべきだよね、なんて。

「ハァ？そんなん気にして、バカじゃねーの。」

わかんないよね。この気持ちは。
世界で一番自分がかっこいいってわかってるから不安なんてないんだもん。
やっぱり自分じゃ見合わないなんて弱音を思わず溢してしまうと、頬を掴んで無理やり目を合わせてくる。

「ナニ、オレが決めたことに文句あんの？オレが世界一かっこいいんだからオマエが世界一かわいいに決まってんじゃん。」

天上天下唯我独尊。この世のすべては自分が基準に回ってると信じて疑わない。
そんな彼がAがいいと、Aじゃないと嫌だと言うならば、それを否定する理由はあなたにはないはず。
世界で一番かっこよくて綺麗な彼と、世界で一番かわいくて美しいあなたの二人ほどお似合いなカップルはいないわ。

「オレは、死んでもオマエを離さねぇし、オマエが気にすることはなんもねぇんだよ。ただ、オレの隣にいろ。」

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