#82:レーダー ページ42
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烏野は、梟谷と試合中だ。
ただいま Aレーダーが反応しています。
あの4番さんと5番さん、めちゃくちゃかっこいい。名前とか知らないけどもう好き。
ああ、今すぐ駆け寄って抱きつきたい。
なんて馬鹿なことを考えていると試合が終わった。負けたのは烏野で、ペナルティがある。
「よし、ドリンクとタオルの準備しとこっか」
「シャチ!」『はい!』
走り終わった人たちに、ドリンクを渡していく。
おお、さすがに皆さん疲れておるな……。
『はい』
「さんきゅ」
影山くんにドリンクを渡す。その時、ふと思い出される心ちゃんの言葉。
"私はかっこいい影山くんが好き"
『はァ!!?』
「な、なんだよいきなり」
思い出しただけで負の感情がふつふつと湧き上がる。
"好き"? "すき"?? "スキ"!?
わたしのほうが好きですけど!!しかも付き合ってるんですけどお!!?
「____おい、A?大丈夫か」
『アッうん、ごめんごめん。大丈夫』
だって、付き合ってもうすぐ3年目だよ。
そんなことあるはずないと思うけど……。
もし影山くんが心ちゃんのことを好きになったらと思うと、鳥肌が立つ。
影山くんがいなくなったら、わたしはどうなるんだろう。
『やっぱり実戦は違いますか影山さん』
「……まあな けどAとたくさん練習したし、絶対成功させる。ちゃんと見てろよ」
『わっ、』
くしゃりと大きな手で頭を撫でられる。
落ち着くこの感じ。影山くんに愛されていると実感する。
不安になったわたしが阿呆か。きっと大丈夫、心ちゃんに影山くんは渡さない。
日が暮れて、もう外は真っ暗になった。
全ての試合が終わり、みんな自主練へとはげんでいる。
梟谷の4番5番さんはいないし、黒尾さんもいない……。どこ行ったんだろう。
『ねぇねぇもりくん、黒尾さんどこ?』
近くにいたもりくんに話しかける。
「おおAか。黒尾ならあっちの第3体育館に行ったよ」
『ありがと!!』
黒尾さん〜黒尾さん〜。
気分が上がったわたしは、スキップをしながら第3体育館へ向かった。
「……なあ、Aどこ行ったか知ってるか」
「えっと……ごめん、わからないや」
「そうっすか、」
「あ、もしかして速攻の練習やる?ボール出します??」
「谷地さんありがとう!お願いしゃす!!」
「あざっす」
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榁井(プロフ) - 豆腐の介さん» コメントありがとうございます!長らくお待たせして申し訳ありません……>< (2020年8月23日 21時) (レス) id: 449d801ec5 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の介 - めちゃめちゃ面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年6月20日 23時) (レス) id: 68695b209d (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - えりえり。さん» 返信遅くなりすみません><もっと可愛い夢主ちゃんと影山書けるように頑張ります!ありがとうございます! (2018年10月19日 18時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
えりえり。(プロフ) - こんにちは、作品とても面白いです!仲良しカップルめっちゃ可愛いです!これからも更新待ってます!頑張ってください! (2018年10月14日 15時) (レス) id: e2a00b9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
よーぐる(プロフ) - 志保さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2017年9月21日 21時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榁井 | 作成日時:2017年6月29日 22時