#76：逆に怖い ページ33
Kageyama side
「……悪い」
「うわああ！」
ぶつかった子供を泣かしちまった。悪い。
俺が来たのはちびっこ向けのバレー教室。
なんで来ようと思ったんだ、つかもう終わってるし。
『ごめんね、痛かったね』
「……は？Aなんでいるんだよ」
泣いている子供を宥めていたのはAだった。
『影山くんが心配だったからにきまってるじゃん』
「なんでここにいるってわかったんだよ」
『なんとなく？』
なんでなんとなくでわかるんだよ。わかりすぎてて逆に怖ぇよ。
でも、俺の事をわかってくれているのはやっぱりAで。
俺より俺の事をわかってる。
「徹！サーブ教えて！」
「まず呼び捨てやめようか！？」
後ろから聞こえてきた声。
徹ってまさか……？
「及川さん……！」
「ゲッ！飛雄！！」
「及川さん何してるんスか」
「甥っ子の付き添い」
隣にいるこの子が及川さんの甥っ子か。
及川さんは目を細めて 俺の顔を見て言う。
「飛雄こそ何？ここはデートする所じゃないけど」
『エッ？』
及川さんはAを見た。
Aは不思議そうに声を出す。
『ぶ、部活はないんですか？』
「月曜日は基本オフなんだ」
「週1で休みが！？もったいない……」
「休息とサボりは違うんだよ。じゃ」
及川さんは俺の横を通り、帰ろうとする。
待って、チャンスが。及川さんに聞けるのは、今しかない。
「お、及川さ……」
「嫌だねバーカバーカ！」
まだ何も言ってねぇよ……！！
色々あり、話を聞いてもらえることに。
『あ、じゃあ私あっちで待ってるね。終わったら来て』
「おう」
「もし、岩泉さんが……大会直前に無茶な速攻を……」
「相談したいならもっと直球できなよ」
俺は、日向のこと 自分の考えとか、たくさん言った。
「速攻の主導権はチビちゃんだ。それを理解できなきゃ、またお前は独裁者に逆戻りだね」
「……」
俺は、何も言い返せなかった。
『来たー どうだった？』
「とりあえず、今から学校に向かう」
『なんで？確か体育館使えないよね？』
「いいんだよ、俺が行きたいだけ」
『そっか』
Aは座っていたベンチから立ち上がり 缶ジュースを捨てた。
『じゃあ私も行く』
「いいよ、来んな」
『なんでよー』
「迷惑かけたくない」
そう言うと、Aは俺の手を握りながら言った。
『かけていーの！私もかけてるから お互い様』
ふと、こういう時にAのことが好きなんだと思う。
「ありがとう …………すき」
『え？なんて？』
「……っうるせ！」
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榁井(プロフ) - 豆腐の介さん» コメントありがとうございます！長らくお待たせして申し訳ありません……>< (2020年8月23日 21時) (
レス) id: 449d801ec5 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の介 - めちゃめちゃ面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年6月20日 23時) (レス) id: 68695b209d (このIDを非表示/違反報告)
榁井(プロフ) - えりえり。さん» 返信遅くなりすみません><もっと可愛い夢主ちゃんと影山書けるように頑張ります！ありがとうございます！ (2018年10月19日 18時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
えりえり。(プロフ) - こんにちは、作品とても面白いです！仲良しカップルめっちゃ可愛いです！これからも更新待ってます！頑張ってください！ (2018年10月14日 15時) (レス) id: e2a00b9ab3 (このIDを非表示/違反報告)
よーぐる(プロフ) - 志保さん» ありがとうございます！更新頑張りますね！！ (2017年9月21日 21時) (レス) id: 0315d3255e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：榁井 | 作成日時：2017年6月29日 22時
