#7:ハコ入り娘と勉強会 ページ8
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『…瀬見くん』
俺の名前を呼んでくれるのが
『…んふふ、瀬見くん可笑しい』
笑っている顔が可愛くて
『…好きな人、いるから』
誰だか分からない「好きな人」に嫉妬して
“ 気付かないうちに好きになっている ”
そんな事あるわけない____
なんて思っていたのに、
本当になっちゃうなんてな。
いつ、どうして好きになったかなんて知るもんか。
いつ好きだって気づいたのかも分からない。
好きだって気付いて結構たつのに、
もうすぐ夏だっていう時期になっても言わないなんて、
本当に俺は弱い。
6月下旬。あと少しで夏休み。あと少しでテスト。
瀬見「なぁ宮内、俺ん家…こねぇ?」
『…なぜに』
瀬見「勉強会的な?お前頭いいだろ?」
『…いちごケーキとプリンとたい焼き』
瀬見「!?多すぎね!?」
『…じゃあ行かない』
瀬見「わあったよ!買うから!放課後、俺ん家な」
『…やった』
良かった、誘えた……
これで来ないとか言われたら精神的ダメージが大きい。
いちごケーキにプリンにたい焼き…
『…2個ずつよろしくお願いします』
瀬見「はぁ!?お前太んぞ!」
『…私を見てから言え』
宮内は凄い細い。骨って感じ。
ちゃんと食べてるって思うぐらいに。
瀬見「わかったから、ちゃんと来いよ」
『…気が向いたらね』
瀬見「はぁ!?」
くだらないこんなやり取りが
楽しくて、嬉しくてしょうがない。
___________
ピンポーン
来たか。
今、俺の家で宮内を待機中。
俺の家は学校から近いから宮内も知っている。
ガチャ
瀬見「ん、入っていいよ」
『…お邪魔します』
『…綺麗、何もない』
瀬見「シンプルって言おうな」
2人向かい合って座る。
瀬見「ちょい待ってて、持ってくる」
『…!!はよ、はよするべ…!』
瀬見「俺が買ったの!感謝しろよ?」
『…あざーす』
あれぜってー感謝してないよな。
瀬見「ほら、」
『…おぉ!美味しいそぉ…食べていい?』
瀬見「おう、それ終わったら勉強な」
宮内が美味しそうにケーキやらを食べる。
可愛い。やっぱ買ってよかったわ。
こんな顔が見れるとは。
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作者名:よーぐる | 作成日時:2017年5月2日 20時