#13:ハコ入り娘と2つのハコ ページ14
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『…宮城だぁ!宮城!』
瀬見「そりゃあ帰ってきたんだからな」
何に感動してるんだよ。
瀬見「家帰るだろ?」
『…当たり前じゃん、お母さんにも言ってるし』
瀬見「なぁ、俺の家…寄ってかねぇ?」
『…え、嫌…じゃなくて、いいよ』
今絶対嫌って言おうとしたな。
別に良いけどさ。
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瀬見「いいよ、入って」
『…相変わらず何もないね』
瀬見「だからシンプルって言おうな」
Aは荷物を置いて綺麗だねーと部屋を見ている。
その間に俺はハコを用意する。
そのハコの中に俺が入って
瀬見「なんか…懐かしくねぇか?」
『…ハコ!何してんの』
瀬見「…それ、お前が言うのな」
とか言っておきながらハコの中に入ってくるA。
『…懐かしい、前もこんなことあった』
瀬見「なぁA」
『…ん?』
俺はポケットからあるハコを取り出す。
瀬見「俺は “ 立派になったら迎えにいく ” って言ったよな」
『…うん』
そのハコを開けて、Aに見せる。
瀬見「迎えにいったのは、俺が立派になったと思ったからだ」
『…!』
Aはそのハコを見て、固まっている。
瀬見「Aが立派になったって思ったらでいいんだ」
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瀬見「よかったら、結婚しませんか」
そのハコに入っているのは
綺麗に光る、指輪。
『…何、言ってるの箱の中で』
瀬見「箱の中だからいいと思ったんだ」
Aは泣いているけど笑っていて、
『…まだ幼稚で、馬鹿で、全然立派じゃない』
瀬見「え、?」
『…けど、そんなかっこいい英太くんが大好きです』
『…こちらこそ、よろしくお願いします…っ!』
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作者名:よーぐる | 作成日時:2017年5月2日 20時