前髪ぱっつん系カップル【五色工】

#18：信じてくれるヒト ページ21

五色side



放課後



ﾊﾞﾁｯ





五色「っ！」





駄目だ、得意なストレートも止められてばっかだ。


余計な事を考えてしまって、集中出来ない。


調子が狂う。









＿＿＿＿＿＿＿＿＿工くん！





ﾊﾞﾁﾝｯ





天童「あらら〜調子悪いね〜」


五色「……っすみません」





またブロックにつかまった…


くそっ、…Aの事……考えちゃうな…





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



部活が終わり、帰ろうとしたとき





天童「あ、工！ちょっといい？」


五色「あ、はい」





学校をちょっと出た所で天童さんと話す。





天童「工さぁ、中野ちゃんの事嫌いになったの？」


五色「いや、嫌いっていうわけでは…」





ただ、Aが浮気したっていう事に凄いショックなんだよなぁ…





天童「本当に中野ちゃんが浮気してたと思う？」


天童「あんなに工と馬鹿して、笑ったり泣いたりしてた中野ちゃんだよ？」


五色「………」


天童「自分を信じてくれた人を簡単に信じるのをやめるの？」


五色「！」





そうだ、俺は何をやってたんだ。





五色「天童さんありがとうございました！俺ちょっと行ってきます！」


天童「頑張ってね〜！」





走って教室に向かう。


本当に俺は何をしてたんだろうか。


自分をこんなに信じてくれたのに、


俺をこんなにも信じてくれたAを、


俺は信じなかった。


そんなの、最低だよな。


俺が信じなくて、どうすんだよ。





ｶﾞﾗﾗﾗ



教室にAは居なかった。





五色「！」





音楽室から音が聞こえてきた。





ホルンの音だ。



ｶﾞﾁｬ



音楽室の扉を開ける。









『……工、くん…？』


五色「A……っ」





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