【HQ×黒バス】キセキ？…きラィ、キらイ。もゥいやダ。

126:エンギ ページ28

何も、返せなかった。






ごめん？ごめんって、何？


私はそのまま翔陽が舞台裏に行くまで、何もすることができなかった。





声を発することもその場から動くことも心配して呼びに来てくれた霧ちゃんの声を聞くことも。









＿＿私が霧ちゃんに気がついたのは、頭を丸めた台本でスパーンっと叩かれた時だった。




「おいっA!」

「いっ…いたっ!!え？え？霧ちゃん？」


え、ちょ、何で叩かれたの私？
ってかいつの間に？



「何度呼んでも反応しないんだもん」
「あ…ご、めん」
「…何かあったの？」
「＿＿ううん、平気」





＿＿平気、な、訳がない。

　









これからどうすれば良いんだろうか。


＿理屈で考えちゃうから、困る。





「…霧ちゃん」

「おん？」

「これからさ、一緒に回らない？」

「良いけど、日向くんはいいの？」

「…ええ」




いま翔陽と居ても、多分苦しいだけだ。









＿＿＿本当は翔陽と一緒に回りたい。



けどでも、でも……








「…どっ、どこ行く！？」

「え、いいよAの行きたい所で」

「え…うーん」

「あ、そうだ。Aって甘いもの好きだったよね。1-4でクレープ屋やってるらしいから行こうよ」

「おぉ！名案！」





それから１年４組に行って、蛍と忠と少し話をして

大好きな甘いものを目の前にしても私は暗い気持ちのままだった。







＿＿翔陽のことばかり、考えていた。

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