【HQ×黒バス】キセキ？…きラィ、キらイ。もゥいやダ。

114:カワッテシマッタコト ページ16

「…Aちゃん？」



桃井とは違う、でも優しい声が後ろからした。



＿＿眼を擦りながらも、潔子さんが私を心配そうに見つめていた。








「＿＿＿あっ」


“ごめんなさい”

夜中に叫んで、疲れて寝ていた潔子さんを起こして、迷惑かけたのに



何故かその一言が出てこなかった。








＿むしろ、もう一度迷惑をかけた。


「潔子さんっ…」



その優しい声色にすがるように、潔子さんに抱きついた。








＿＿＿＿前にもあったな。こんなこと。

前はただ、紫原から逃げ出したくて、彼に背を向けて、潔子さんに抱きついた。
意味も分からず泣きながら。



今は、背後には誰も居ない。









『＿＿A！お前本当すげーよな！』
『もう、だ…青峰くん。ちょっとは私のことも誉めてよー。』



けど、煩くて喧しくて

それで







「…私、可笑しい」

「懐かしい声が…聞こえるんです」




ひっくひっく、だらしなく泣きながら

涙が流れている意味を、知りながら。





「この辺がドロドロして、気持ち悪いんです」




自分の喉から胸あたりを撫で下ろす。
あぁ、本当にきもちわるくなってきた。







「もうキセキの世代の奴らに、


　＿＿“こんな気持ち”になりたくない」




こんな気持ち。


大好きだったキセキの世代への憎しみの気持ち。









＿＿どゥして昔大好きだった人達を

憎まなきゃいけなかったの？





いつからこうなったの？


いつから歯車が狂ったの？









「＿＿嫌い」


ドウシテ、大好きなはずの【皆】を、嫌いって言わなくちゃいけなくなったんだっけ？







「＿Aちゃん……」

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