黄緑担当です。9

○With sutopuri ページ7

✻


さとみside




やばいやばいやばい。

今日レコーディングがあるから、
早めに家出たけど

まさか電車の乗り換え間違えるとは。

これ、遅刻確定だよな？


「…あれ」


走ってふと横を見ると、
見たことあるような人。

服装も見たことあるし、
あの金と銀の髪色ですぐ分かる。


「きみく…」


話し掛けようとするが、
思わず止まってしまう。

きみの隣に居るのは、女の人。

しかも、めっちゃ親しげ。

…アイツ大丈夫なのか？

親友として応援したいけど、
もしリスナーとか見てたら…。

結局、俺は呆然と
立ってる事しか出来なかった。


＿＿＿＿＿＿＿＿




「え？きみくんに彼女？」


案の定、遅刻をしてしまって
怒られてしまって、

何とかレコーディングを
午前の部では終わらすことが出来た。

そして、さっきの事を
なーくんとジェルに話す。


「さとちゃん冗談キツイわ〜w」


「何でこの場で冗談言うんだよ」


最初は笑いながら
俺の話を鵜呑みにしないジェルに

何故か自分もキレながら言うと、
すぐに真顔に戻る。


「……さとちゃんの勘違いとかは？」


「…それは…分からん」


顔とかはあんま見れんかったけど、
後ろ姿は完璧に女だった。

…確かに俺の勘違いの
可能性もあるかもしれないし。


「尾行すればきみくんに
彼女が居るかどうか分かるんじゃない？

俺たちも着いていくから！」


「…俺“たち”？」


ジェルも同じようになーくんを見る。

どうしたリーダー。

どうした社長。

だけど、めっちゃ自信満々。
尾行する気満々…。

目も心なしか輝いてる気がする。


「とりあえず明日、

すとぷり会議あるから
そのときにきみくん誘ってみようよ

もし「無理」って言ったら、
尾行すれば良いんだし！」


…実際、褒めた方が良いのか
褒めない方が良いのか、

イマイチ分からない…。

なーくんにどういう対応をした方が
良いのか分からない。

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