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「…でも俺はそんな簡単に
なっちゃダメだなって思ってる」
「きみくん…」
「こんな形でもしなれたりしたら
…何だか悪いし…」
「そっか」と莉犬くんは呟きながら
残ったタピオカと
ミルクティーを吸っていた。
俺も残ってあるコーヒーをがぶ飲みして
席を立ち上がる。
「俺!ちょっと行ってくるよ!
ちゃんと話してくる!」
「…うん、そっか。頑張って!」
こうしちゃいられない。
今すぐにでも話し合おう。
事務所の場所とかは曖昧だけど、
駅とかはちゃんと見てきたし、
多分大丈夫だ。
スマホを取り出して、
俺をスカウトしてくれた事務所に
俺は電話を掛けた。
________
「…で?結局断ったと?」
「おん」
事後について、
莉犬くんを呼び出してその事を話す。
相談料として今日はパンケーキを奢った。
勿論、ジュースも付けて。
そして、俺のテーブルの上にも
イチゴとバナナと生クリームが
たっぷり乗ったパンケーキ。
そしてコーヒー。
「やっぱり、悪いからさ…
それに俺が声優やったとしても
何か違和感というか何というか…
あんま柄じゃないなーって!」
「…やっぱ優しいな…きみくんは」
あまりシリアスな雰囲気にならないように、
作り笑いをしながら喋る。
俺が元気じゃなかったら
莉犬くんが俺を心配するかもしれない。
「…俺って優しいんかな」
「優しいよ…」
…優しいってなんだろう。
優しい優しい言われすぎて、
「優しい」って言葉が何なのか
分からなくなってきた。
何で俺はあんなにドヤ顔をしたんだろう。
「…分かんないなあ…」
「え?」
「んーん…何でもない」
俺はぐちゃぐちゃした気持ちを
誤魔化すかのように、
パンケーキを頬張った。
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びたー(プロフ) - るんかさん» いいえ!いいえ!大丈夫ですよ!はい!…そう言ってくれるとめちゃくちゃ嬉しいです…ありがとうございます!なるべく無理のない更新を心掛けます! (2020年11月14日 22時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
るんか - びたーさん» お返事遅れてしまいすみません... 気分転換できたんですね。良かったです!無理せず適度な投稿をしてください! (2020年11月14日 17時) (レス) id: c4fe7359d3 (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - KOKESI(こけしくん)さん» ごめんね…!ありがとう! (2020年11月13日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
KOKESI(こけしくん)(プロフ) - びたーさん» あ、ありがとう!イラスト集にはらせていただきます!! (2020年11月13日 23時) (レス) id: 33ecba25f2 (このIDを非表示/違反報告)
びたー(プロフ) - KOKESI(こけしくん)さん» え!?謝らないで良いよ!!寧ろ嬉しい!もし、送れたらURLをコメントに貼るか、それかイラスト集に出すなら、そこで保存して貼っておくことも出来るよ!自分の好きなようにしてくれ!ありがとー! (2020年11月13日 23時) (レス) id: cfeb0c9930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びた一 x他2人 | 作成日時:2020年10月16日 23時