黄緑担当です。9

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・他の歌い手さんも出て来ます


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あれからさとみくんの答えは
「考えさせて」の一言。

…俺だって捨てたくて
捨てたいんじゃない。

皆、過去のことは水に流して
頑張っているのに、

やっぱり俺はあのときの事が
脳内でフラッシュバックされて、

捨てれなかっただけ。


＿「…きみくん本当にごめんね…」＿


あ、また思い出しちゃった。

こんなことしても、
どうすることも出来ないし。

…やっぱり自分自身で忘れる事しか
俺には出来ない。

巻き込んじゃってごめんね。
さとみくん。

心の中で謝り、雨の音と
水たまりにはまる音が交わった。



「わっ！きみくん！？」


「…え？きみく…って！
傘差してんのにずぶ濡れやん！

…どした？」


後ろを振り返ると、
傘を差しながら俺を見る

坂田さんと志麻さん。

…何気に歌い手として志麻さんとは
初めてのような気がする。


「…分からないっす」


「とりあえずこれ使い？」


志麻さんから渡された
タオルを受け取り、

そのタオルを頭に乗せる。


「ありがとうございます…」


「ええよええよ」


「…何かあった？」


と傘を差し直すと
不意に坂田さんにそう言われる

思わず言葉が詰まりそうになったが、
何とか耐えて話そうと努力する。


「俺…今度親友と歌うんですけど、
その曲を俺が選んだんです。

…その曲は、昔…俺と俺の相棒と
一緒に歌った曲なんです

親友はそれについて考えてて…

……皆、過去のことを気にしないで
前に進んでいく姿を見て、

俺も…忘れたら…いいのかなって…」


あの時は何が起きてるのか
よく分からなくて頭が真っ白だった。

気付けば、俺の隣に居たはずの
相棒が居なかった

それが忘れられなくて、
こんな自分が嫌になる


「別に忘れなくても良いんやない？

せっかくの相棒との思い出を
無駄になんて俺、絶対にしたくないし」


「無理にそんなことしたら、
きみくんは壊れたりせえへん？」


…忘れなくても良いのか？

壊れたりこそはしないと思うけど、
苦しい思いならある

志麻さんと坂田さんの
さっきの言葉を脳内でリピートする


「…確かにそうです…よね
ありがとうございます」


と深くお辞儀をして

さとみくんと話すために
さとみくんの家へ向かう

志麻さんと坂田さんを見れば
ニコニコと微笑みながら

手を振っていた。

…ごめん。
　








「…これどうする？
センラさんならともかく…

うらたさんどないしよう…」


「うえええ…」

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