黄緑担当です。3

◎文化祭 ページ5

*


「遠井さん見てみてー」


「どしたのジェル」


「俺の頭金髪ロング」


「おう…………で？」


私たちは今、
文化祭に向けて準備をしている。

因みに私たちのクラスは
『喫茶店』という普通の出し物。

……ではなく、

男子が女装し､
女子が男装をするっていう

少し変わっている喫茶店だ。

私と一緒にそれに向けて準備してる
ジェルは女装用のカツラを被って
私に見せてきた。

正直どうでもいい。

真顔でそう言う私に

ジェルはカツラ外しながら
少し拗ねたような表情で

「遠井さんやっぱりつまらないね」と
言われた。

やっぱり、ってなんだよ

そう思っていると後ろから
何やら話し声がして、

私とジェルは振り返った。


「何で女装しなきゃいけねえんだよ…」


「さとみくん顔良いんだから、
美人な女になれるんじゃない？」


私たちの後ろで作業をしている
さとみくんときみくん。

ななもりくんは二人の会話に
「うんうん」や「そうだねー」と
言いながら、

黙々と作業を進めている。

きみくんの言葉にさとみくんは

「お前に言われても嬉しくないな」と
言っていた。

「折角フォローしたのに
酷いなさとみくん」と拗ねるきみくん。

フォローのつもりで言ったのかよ


「今きみくんが考えてること
当ててあげようか？」


「なーくんに当てられるの？w」


ななもりくんが急に何を言うかと
思ったら、きみくんにそう言った。

きみくんは笑いながら
ななもりくんに言葉を返した。

……私もきみくんと同じ気持ちだ


「腹減ったって考えたでしょ」


「あー…まあまあまあまあ」


きみくんの反応を見ても分かりづらいな。
これは図星か？

それとも違っていたななもりくんに
対して言葉を濁してるだけ？

考えてるだけで面倒臭くなりそうなので、

私は考えるのを止めて
布を糸で縫っていった。

……文化祭まで時間ないけど
この調子で間に合うのだろうか…。


「なーくん、さとみくん、
当日一緒に回ろっか」


「回ろっか」


「おー」


「え？待って、俺は？」


準備してる最中に話してるアイツ等

チラリと見てみると
3人の手は進んでいるものの、

ジェルの手が止まっていた。

やってないのアイツだけだったのか

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