第三十五話 三条の疑問 前 ページ40
「ふむ……まあ、良い。主よ、ここに座ったらどうだ？」
三日月宗近は、そう言うと左側をとんと叩いた。
「……………………………………。では、お言葉に甘えて」
上巳は、暫し葛藤した。だが三日月宗近の指した場所から、一歩離れた場所に腰を下ろした。
上巳が腰を下ろしたのを確認すると、小狐丸は上巳の左隣に腰を下ろした。上巳は、びしりと固まった。
(両隣を固められた……！？ にっ、逃げ場は…)
混乱する上巳をよそに、小狐丸は上巳に尋ねた。
「して、主様。その格好は？ ……昨日はそのような和装では無かったと記憶しておりますが」
「えっ！？ ……ああ、昨日は学校から直接本丸……になったので、学校の制服のままだったんですよ。」
「……なるほど。……主様は、巫女のように緋袴を身につける訳では無いのですか？」
小狐丸の問いに、上巳は苦笑した。
「他の審神者の方は着ているかもしれませんね。……ですが、私は『巫女』ではなく『審神者』ですから」
上巳は、小狐丸の紅い目を真っ直ぐに見据えて言い切った。
「左様ですか……」
小狐丸は、微かに目を見張った。
(これは、また、随分な牽制を…………。面白い方だ)
「まあ、審神者といっても……本来の審神者の定義からは大分それているとは思いますがね」
上巳は、へらりと苦笑した。先程の凄味が四散する。
「左様ですか」
小狐丸は、気にせずこっくりと相槌を打った。
「……して、主よ。小狐丸とばかり話さず、こちらとも話してくれんか？折角、時間があるのだから……。俺も、色々と主とは話してみたいことがある」
三日月宗近の言葉に、上巳の目は死んだ。内心嫌だなとは思うが、相手は神だと自分に言い聞かせる。
「……はい、えっと……何についてでしょうか？？……後、朝餉の準備があるので、出来るだけ手短にお願いします」
上巳は、三日月宗近の顔を出来るだけ見ないようにして言った。
「ふむ、では俺も小狐も朝餉の準備とやらを手伝おう、……それで良いな？」
三日月宗近の言葉に、小狐丸は頷いた。
「ええ。どうせ習得せねばならない以上、早めの方が良いでしょうし」
逃げ道が完全に絶たれた。上巳は、がっくりとうな垂れた。
「それで……だ。主よ、昨日身につけていた首飾りはどうしたのだ？」
三日月宗近の、予想だにしない質問に、上巳は目を見張った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
