第二十七話 二振り目の短刀 ページ30
「ごちそうさまでした」
夕餉を食べ終え、手を合わせた上巳。六振り達の刀剣男士達もまた、それに倣い手を合わせる。
「……ごちそうさまでした」
「じゃあ、片付けるんで後はのんびりしていて下さい。……人間の身体を得て直ぐ、戦場に出た訳ですし……お疲れでしょう」
そう言って、上巳は、お盆を回収しようとした。
「……主。少々お待ちを」
上巳の動きが止まる。声がした方に顔を向けると、へし切長谷部が真面目な顔をしていた。
「主、俺も後片付けを手伝います。……ですが、その前に報告したい事があります。」
「報告……ですか？」
へし切長谷部は、骨喰藤四郎に視線をやった。骨喰藤四郎は頷くと、一振りの短刀を取り出した。
「歴史修正主義者の本陣でこれを手に入れた。……敵陣が壊滅した際、俺が見つけた。穢れは感じられない。」
簡潔な骨喰藤四郎の言葉に、上巳は口元に手を寄せた。すると、はっとした顔をした。
「……もしかして、ドロップというやつでは？」
「どろっぷ？」
「はい。……敵を倒すと、刀剣男士が未顕現の状態で手に入ることがあるみたいなんですよね。……端末でちょっと調べたんですが、特定の場所でドロップをするしか入手……というか仲間に出来ない刀剣男士様もいるみたいですね」
「そうなのか」
「はい。……あーじゃあ、とりあえず皆さんお盆ごと厨の方に運んで下さい。その後に、この短刀を顕現しましょう」
六振りの刀剣男士達は、それを受け各々が使用した食器などをお盆にのせ、厨に運んだ。
ーーーー
ーーー
ーー
とりあえず、大広間が片付く。上巳は、両手を布巾で拭った。
「よし、顕現しましょう！」
そう言って、短刀に触れた。光の奔流に以下略。桜と共に、紺色の衣装を纏う小柄な少年が現れた。少年は、おずおずと口を開いた。
「僕は、五虎退です。
あの……しりぞけてないです。すみません。
だって、虎がかわいそうなんで。」
(何だ、天使か！！ ……き、気弱そうだけど今の濃すぎる面子の癒しとしてやって来たんだな。……なんか、ちっこい猫？ も一緒だ。うん、可愛い)
上巳は、屈んで五虎退に視線を合わせた。そして慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
「初めまして、五虎退様。私は上巳と申します。これから、よろしくお願いしますね」
「……は、はいぃっ！ よ、よろしくお願いします！！」
五虎退は、ぺこりと頭を下げた。
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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