第二十五話 帰還と疑問 ページ28
「……帰ったぞ」
第一部隊は、無事本丸に帰還した。
「はい、皆様お帰りなさいませ！！」
第一部隊を出迎えたのは、彼らの主である上巳……では無く、こんのすけだった。
「……管狐か」
小狐丸は、僅かに眉を顰めた。
「……そんな顔をしないで下さい」
こんのすけは、後ずさった。山姥切国広は、それを見て管狐に同情した。この管狐は、どうも主が絡むと碌な目に合わない。
「……で、主はどこに？」
こんのすけ等、眼中に無いと言わんばかりのへし切長谷部。こんのすけは遠い目をした。
(何故、いつもこんな役回りなんでしょう……)
「……長谷部、落ち着いて」
へし切長谷部を抑えたのは小夜左文字だった。そういえば、へし切長谷部様も小夜左文字様も黒田に居た時があったなぁ……とこんのすけは思い出す。そして漠然と思った。
(小夜左文字様がこの本丸の良心なんでしょうね……)
「……それで、主はどこ？ 敵を殲滅後、刀剣が出てきたから話をしたいんだよね」
小夜左文字の問いに、こんのすけは答えた。
「上巳様は、夕御飯を作っています！ ……現在進行形で」
六振りの刀剣男士達は目を丸くした。
「ゆうごはん？」
骨喰藤四郎は、未知のものを見るような目をこんのすけに向けた。
「はい！ 人間の身体は食事や休息、睡眠等が必要なのです！！」
「……お供え物とかではなく？」
小狐丸は首を傾げた。
「はい。……まあ、取り敢えず食べてみて下さい！ 上巳様も、頑張って作ったものですから！！」
「当然だ」
へし切長谷部は即答した。
「 パイセンっ！ 二日と保たずお米切れそうだから発注よろしく！！」
上巳の声が厨から響く。
「はい！ お任せを！！」
こんのすけは、顔だけを厨に向けて答えた。
「……ぱいせん？」
三日月宗近は、聞き慣れない言葉に首を傾げた。そして、何故ぱいせんとやらがこんのすけを指すのだろうと考えた。
思考の海に潜水した三日月宗近を尻目に、小狐丸はふと疑問を口に出した。
「……さて、主様が準備をしてくださるのは有難いですが……。今後、刀剣男士がどんどん増えた際、食事とやらの準備はどうするのでしょうか？」
その疑問に、全員が目を見張った。
「……まあ、僕達が主を手伝うか、当番制になるんじゃない？」
小夜左文字の言葉に、骨喰藤四郎はぼそりと言った。
「……少なくとも、俺は食事の準備とやらはしたことが無い。……練習が必要だろうな」
第二十六話 初めての食事→←第二十四話 維新の記憶-函館 弐
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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