第二十一話 いざ戦いへ ページ24
「ふむ、出陣は問題無いのだが……」
三日月宗近は、微かに視線を彷徨わせた。
「山姥切国広よ。お主の持っている玉はなんだ？」
「……ああ、これか。これは刀装だ。戦の際に使用するが、俺も実戦で使うのは初めてだ。……まあ、使えば何とかなるだろう」
山姥切国広の良くも悪くも大雑把な発言に、三日月宗近は、あなや……としか返せなかった。
「編成は今したから」
端末から視線を上げた上巳は、山姥切国広に告げた。
「刀種ごとに、装備できるものが違うみたいだね。……切国。骨喰藤四郎様は、軽歩兵。後は……取り敢えず軽騎兵との混合で大丈夫みたい。取り敢えずは、だけど」
「……そうか」
山姥切国広は、頷くと色とりどりの刀装を四振りに渡していった。
暫くすると、あれこれ言っていたのが静かになった。
「……よし、終わったみたいですね」
上巳は頷くと、ぱちりと瞬きをした。そして、覚悟を決める。厳かに、第一部隊の面々に告げた。
「……第一部隊に配属された皆さん。改めて、説明します。遡行先は、幕末の函館。……五稜郭の戦いですね。これに介入しようとする、歴史修正主義者を殲滅して頂きます」
上巳は、少しだけ、自分の初期刀が新撰組に直接ゆかりの無い刀ばかりである、という幸運に感謝した。新撰組の数少ない生き残りが多く散った五稜郭の戦い。それには、あの土方歳三も参加し……戦死している。
「……歴史改変を、許す訳には、いきません。……歴史修正主義者達の好きには、させる訳にはいかないのです」
そう、歴史改変を許せば……蝶の羽ばたきにより、自分が消えるかもしれないのだ。
「私は、人間は…無力な存在です。その人間同士のいざこざに神である貴方方を巻き込んでしまったこと。改めて謝罪させて頂きます」
そう言って、頭を下げる。
「……あんた、頭を上げたらどうだ」
ぶっきらぼうな言い方だったが、山姥切国広は笑って言った。
「ああ、わかっている。……六振りの中から代表して俺が言おう。……俺たちは、あんたの刀剣だ。だから、あんたの命令に従う。…………ちゃんと、無事に戻って来る。」
「ッ！！ ………………ちょっと、切国さんかっこよすぎやしませんかね」
「では、言って来る。……山姥退治なんて、俺の仕事じゃ無いが」
六振りの刀剣男士達は、光の粒子となり時間を遡行した。
今、彼らの戦いが始まる。
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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