第十八話 妥協という名の不時着 ページ20
「………………顔?」
水を打ったように静まり返った大広間。その静寂を破ったのは三条のどちらだったか。
三日月宗近は、彼の予想の斜め上をいく解答に絶句していた。まさかの、顔。自身も自覚している己の美しさが、いやまさかこんな形で仇になるとは。
三日月宗近は、思わず上巳に尋ねる。
「主よ。主が連れている金の髪が覗く刀剣も見目は美しいぞ?…何故、俺は駄目なのだ……」
ちらりと山姥切国広に視線をやる三日月宗近に、
上巳は気まずそうな表情を浮かべた。そして、そっと視線を逸らした。
「……何というか、切国は見た目を色んな意味で裏切る中身だったというか。……なんか、こう、ある種の親近感が湧いてですね」
三日月宗近は、山姥切国広に対して恨めしそうな視線を向けた。山姥切国広は、無言で布を下ろした。
「……主様は、この小狐とは普通に接して下さいましたよね? ……先程は置いていかれましたが。」
小狐丸は、にこやかな笑みである意味での爆弾を投下した。
「置いていった件は、すまん。」
山姥切国広は小狐丸に謝った。
「……何、だと?」
三日月宗近が眼を見張る。小狐丸は、三日月宗近に対し勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「あー……最初はケモ耳みたいな髪型にびっくりしたんですけど、自己紹介に全てを持っていかれました。
……小狐丸様、予想以上に愉快な方だったというか、残念なイケメン臭が……ハイ。…………何か、正統派の美形とは違う感じがあって。…………それで、ですかねぇ」
上巳は、頰をかいて言った。なお、視線は逸らしたままである。
「……美人は三日で飽きるというし、主が慣れるのを待つしかないんじゃない?」
小夜左文字は、ため息を吐いて三日月宗近に言った。
「……あなや」
三日月宗近の頰が、ひくりと引きつる。
「……美形過ぎるんですよ。登場……いや、顕現も何か、こう……雅な感じだったし。……良くも悪くも残念なところがあるとこっちもこっちで、気が楽なんですがねぇ」
上巳が更に追い討ちをかける。三日月宗近は、褒められている筈なのに複雑な気持ちになった。
他の三振りは、同情にも似た視線を三日月宗近に向けた。そして、そっと眼をそらす。この空気を変えようと、小夜左文字は口を開いた。
「鍛刀部屋で、新しい刀を顕現させたら? ……三日月宗近。貴方に関係のある別の刀剣男士に、会えるかもしれない」
三日月宗近は、小夜左文字の発言に眼を見張った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます!!これからも頑張ります!! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました!主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい!! (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます!きっちり修正しました。コメントありがとうございました!! (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ!魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ! (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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