第十六話 フラグの建築 ページ18
これでどうだ！とばかりに言い切った上巳に対し、二振りは小さく笑った。
「……まあ、うん。良いんじゃ無い？」
「……ああ、依存はないぞ」
「え、何その反応。……いや、全力で拒絶されるよりは遥かにマシだけど」
何だかなーと、ぶすくれた上巳。しかし、小夜左文字の一言で切り替えた。
「……そういえば、そろそろ四十分くらい経ったんじゃないの？」
「あ、脇差ちゃんか！！」
「……その呼び方はどうなんだ」
山姥切国広は、苦い顔をした。
「いやぁ、まだ顕現していないしセーフセーフ。……それにしても誰だろう。実装済かは知らんけど、雷切かなぁ。…いや、それとも大和守安定様かも？？ でもうち、まだ加州清光様まだいないし……」
何かが吹っ切れたようだ。一人ぶつぶつと思索に耽る上巳。
しかし、態度が予想以上にフランクになった上巳に、小夜左文字はかえって危機感を募らせた。
(……一度懐に入れた存在に対して、予想以上に甘い。そのうち、善意を予想だにしない悪意で返されそう……。危ういな……)
小夜左文字は、上巳に対し緊張感を持たせる為爆弾を投下した。
「鍛刀部屋に行く前に、まずは三日月宗近の件を何とかしたら？ ……大広間に放置したままだよね？？ 彼ら」
「あっ……」
「……主」
胡乱げな目で見上げる。上巳は、内心歯噛みした。
(うっ……誤魔化し切れなかったし、先送りも対して出来なかった……。お小夜さん予想以上に強敵だ……何だろあの保護者みたいな感じ……)
「……時間を置いたわけだし、いい加減覚悟を決めたら？」
(私は、これから戦場にでも行くのだろうか？ いや、確かにある意味戦場だけど)
上巳は、死んだ魚のような目をして、不承不承頷いた。
「また、何かやらかしそうだけど……努力は、する……」
こんのすけが、いたらこうツッコミを入れただろう。
フラグを建てないでください！ と
「……あんたも覚悟を決めろ。俺はもう決めたぞ」
「いや、布被ってぷるぷるしてる切国に言われても……」
上巳の視線の先には、布を深く被りこちらに背を向けている山姥切国広の姿があった。
だが、かえって上巳は落ち着いた。お化け屋敷に行った時、相方がわーわー騒いでいると、かえってこちらが冷静になる心理である。
「……いや、何か落ち着いたわ。うん、じゃあ大広間に行こっか！！」
ふと、小夜左文字の脳裏に、旅は道連れという言葉がよぎった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
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清河清明(プロフ) - 鞠璃音さん» コメントありがとうございます！！これからも頑張ります！！ (2016年10月23日 23時) (
レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
鞠璃音 - 友人に薦められて読みました！主人公の行動が斜め上で、面白いです。これからも更新頑張って下さい！！ (2016年10月23日 23時) (レス) id: 1bb56d4b39 (このIDを非表示/違反報告)
清河清明(プロフ) - ゆめゆさん» ご指摘ありがとうございます！きっちり修正しました。コメントありがとうございました！！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 4a48ec0504 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆ(プロフ) - 隊の名前が間違ってますよ！魚鱗陣に有利なのは逆行陣ですよ！ (2016年10月15日 15時) (レス) id: 31a1160be4 (このIDを非表示/違反報告)
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