37.1枚のチラシ ページ39
「ねえねえ、これみて!」
ある日の昼休み、ココネはキラキラとした表情で1枚のチラシを私たちに見せた。
「なんだ?」
「レインボーパーク?」
「そう!今度新しくレインボーパークっていう遊園地が近くにできるんだって!」
ココネが持つチラシには、虹色の観覧車や様々なアトラクションが写っていた。
「へえ、遊園地なんて、この辺ないから人気でそうだね!」
天宮は嬉しそうに言う。
「しかもオープニングキャンペーンで、入場料半額だって!行ってみようよ!」
身振りが大きくなるココネ。
「俺は構わないけどさ、林はまず彼氏と行かないといけないんじゃないの?なあ水沢」
ヘラヘラした顔で天宮は私に聞いた。
「ちょっと天宮……あんまりココネをからかわないでよ」
そう言って私は天宮の頬を少しだけつねった。彼は「痛っ」と小さくつぶやく。
ココネはちょっと顔を赤らめたが、すぐに元に戻った。
「天宮!今それどころじゃないでしょ!」
「なんだよ林。マジになっちゃって」
「速水くんだよ!速水くんと一緒に行くの!」
そのココネの言葉を聞いた瞬間、天宮はハッとした表情を見せる。もちろん私も同じだった。
「……速水くんの病気、もしかしたら治らないのかもしれないんでしょ」
私たちの間に重苦しい空気が流れる。
「それに速水くんは未だに退院のめどがたってない。このままじゃ今年の修学旅行に行けないかもしれないんだよ!近くに遊園地ができたのはチャンスだと思う、皆で行って、良い思い出つくろう!」
ココネは畳み掛けるように一息で言い切った。
「そうね、行きましょう。薫のためにも。天宮も賛成でしょ」
「だな、速水は今、病室に閉じこもってるばかりだ。速水には1日でも良いから、病院を飛び出して心の底から楽しんでほしい!」
天宮の言葉には熱がこもっている。
「……でも、薫のご両親や、主治医の方にどうやって外出許可を取れば良いのかしら……」
私は自分の言葉がこの空気に水を差してしまうものだと分かってはいたが、言わずにはいられなかった。
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諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - 水の犬。さん» ありがとうございます!これからも少しずつですが更新していくのでよろしくお願いします(o^−^o) (2016年5月6日 6時) (レス) id: 222891f609 (このIDを非表示/違反報告)
水の犬。(プロフ) - 初めまして。久しぶりに更新されてて嬉しかったです! 更新、ゆっくりでもいいので頑張ってください(*・v・*)/ 無理はなさらずに。 (2016年5月5日 22時) (レス) id: 7c0259b150 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - himawariさん» そうなんですか!!嬉しいです!ありがとうございます(o^−^o) (2015年8月18日 21時) (携帯から) (レス) id: 8479091d1e (このIDを非表示/違反報告)
himawari(プロフ) - お誕生日おめでとうございます!!なんと私と誕生日一緒ですね!!びっくりしました!! (2015年8月18日 21時) (レス) id: faa47f7cf4 (このIDを非表示/違反報告)
諸星夢月☆こみゅ行けません(プロフ) - レイ@北欧領さん» ありがとうございます! (2015年8月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 8479091d1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:諸星夢月 | 作成日時:2015年8月14日 12時