ヒドインVSヒドイン【オリジナル】

40.最後の選択 ページ43

打破する手は……私には見つからない……

「でも、君達凡人だけは助けてあげられるよ？」

「それって、私とAちゃんと月川君と天宮君のことですか……？」

ユウが恐る恐る訊く。

「そうだよ」

幹部は笑顔を見せる。

「でも、この実験体達に関する記憶は消すけどね。もちろん君達のクラスメイトもみーんな。」

「2人は、どうなるんですか!?」

リク君は声を荒らげる。

「そりゃ、色々と労働力になってもらうよ。自由なんてありゃしない。だってモノなのだから」

冷静に答えた。

「モノ……ですか……」

ヒドイン二人組はかなりショックを受けている。もちろん私も。

「さあ、どうする？」

幹部は勝ち誇った表情で私達に詰め寄る。
その時、私の脳裏に今までの思い出が蘇った。

「……嫌だ」

「ん？なんだいAさん」

「姫野さんと西園寺さんは私達の仲間だ！アンタらのモノじゃない！」

「そうだ！お前達の勝手にはさせねえ！」

「2人には、心というものがあるんです！」

「その心を踏みにじるのなら、僕達が許しません！」

「みんな……」

西園寺さんは驚いている。

姫野さんは大粒の涙を流していた。

「……では、無理矢理にやるしかない」

表情を強ばらせてる幹部の一人。

そして私達を囲む全員が体勢を変える。

いや……さすがにこれはまずいって！
その瞬間。

「今だ！出てこい！」

西園寺さんが叫んだ！そして、

「「はああああっ！！」」

その声と共に大勢のヒドイン集団がこちらに走ってきたのだ！

「これ、どういうこと!?」

ユウが訊いた。

「Aさんが見た黒い影が気になって、私と西園寺さんで協力して学園の生徒を呼んでおいたのよ」

姫野さんが答える。

「私ら生徒会長だからさっ！」

西園寺さんはウィンクをした。

その間にも生徒は幹部をやっつけていく。何百人もいたら、もう相手の武器なんて通用しなかった。

「じゃあ、何でギリギリになって来てもらったんだ？」

カイトが訊く。

「あなた達がもし、先程の交渉に応じていたら、大人しく捕まるつもりだったわ」

「でもA達が私らのこと、仲間だって言ってくれた！だから来てもらったんだ」

「当たり前じゃん、そんなの！」

私は2人に向けて話す。

「「本当に、ありがとう」」

2人は、顔を見合わせ笑ってそう言った。

「全員倒しました」

ヒドインの一人が姫野さんに報告する。

「了解」

余裕げな姫野さん。

「さあ、帰ろうか」

「うん」

ユウの一声に、皆が応じた。

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如月ちゃん(夢主)

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