099 ページ49
◯sho
「………………彼奴おらんやん」
「あー、帰ってもうたよ」
ちょうど部活終わりらしく、体操服を着てエナメルを肩に下げたまま俺のことを睨んでくる。
そんなすっ飛んできて、おらんかったら睨んでくるくらいやのに、どう捉えたら恋じゃなくなるん。
「……はぁ」
「会いたかったん?」
「顔みたかってん、夏休みやし」
エナメルを床に置き、ため息をつきながら俺の隣の椅子に座る。……顔見たかった、って。
「やっぱ好きやろ?Aのこと」
この質問するの何回目やろ。
どうせ、ちゃうわ〜ぼけ〜
でも特別なやつやねん〜はは〜、
とかなんとか言うんやろ。
「……そうなんかなぁ」
「はっ!?!!?」
廉の思いもよらなかった返答に、
大声を出してしまう。
また視線が集まる。
「紫耀くん、」
花凛ちゃんに名前を呼ばれ、
挙げ句の果てには静かに!って怒られる。
「ごめんなさい……」
「いきなり大声あげんといて、恥ずいわ」
「せやって、廉が!」
ついに、自分の気持ちに気付き始めたから!
そりゃあ驚いてしまうやろ!
あくまでも“そうなんかなぁ”やけど・・・!
「好きとかようわからんし、知らんけど」
「うん、」
「……彼奴のこと、かわいいって思うし、守りたくなる。……でも、好きとかはやっぱわからへんよ。」
俯きながらも、ゆっくり小さな声で呟く廉。
顔から耳まで真っ赤。
……なんや、俺がキュンとしたわ。
うんうん。ゆっくりでええよ。
ゆっくり知っていけばええ。
「廉、夏休みなにしたい?」
「なに急に」
「麦茶めぐりしたいとか、なんかないん?」
「なんやそれ。………海とか、バーベキューとかええよなぁ。」
「それや!それ!海!バーベキュー!A誘ってしようや」
俺がそう言うと怪訝そうな顔をすると思っていた廉は意外に、目をキラキラさせて食いついてきた。
目を見開いて人差し指を俺に向かって突き出して「ええなぁ!それええなぁ!」と言う。
「廉、Aの連絡先知っとる?」
「知らへんよ」
「教えるから、廉が誘い?」
「……………わかった」
なんか弟みたいに可愛くて、
髪の毛をわしゃわしゃしたら
「やめ!」って大声を出す。
だからまた花凛ちゃんに怒られる。
以上、平野紫耀の日常でした。
.
1810人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆるちゃん(プロフ) - あいぷうさん» 本当に、やっと気付き始めました(笑)嬉しいお言葉をありがとうございます( i _ i )更新頑張ります! (2017年7月24日 15時) (レス) id: b55da15e6f (このIDを非表示/違反報告)
ゆるちゃん(プロフ) - りりさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます( i _ i )更新頑張りますね! (2017年7月24日 15時) (レス) id: b55da15e6f (このIDを非表示/違反報告)
ゆるちゃん(プロフ) - ゆーみさん» わ〜( i _ i )とっても嬉しいお言葉をありがとうございます。更新頑張ります! (2017年7月24日 15時) (レス) id: b55da15e6f (このIDを非表示/違反報告)
あいぷう(プロフ) - 廉くんツンデレたまらない、、やっと好きだと気付いたんですね…!この作品最高ですだいすきです!!更新楽しみにしています!これからも頑張ってください!応援しています!(^-^) (2017年7月23日 20時) (レス) id: 7c1a7d0db9 (このIDを非表示/違反報告)
りり - すごく面白いです!!更新楽しみにしています!!頑張ってください!! (2017年5月8日 21時) (レス) id: d8f3b52d81 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆるちゃん。 | 作成日時:2016年8月2日 0時