検索窓
今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:1,325,138 hit

009 ページ9

七瀬と話しながらお母さんが作ってくれたお弁当の蓋を開けて、お箸を持つ。

あ、今日ミニトマト沢山入ってる。嬉しい。




なのに、僅か数秒後。
そんな舞い上がった気持ちは一瞬にして覆された。



「……げっ」

「…………永瀬じゃん。」



前の扉から教室に入ってくる永瀬くんと紫耀。何やら2人ともテンションが低そうだった。


永瀬くんは自分の席まで歩いてくると
椅子に座りスマホを取り出して何かゲームでもしてるみたいだ。
…眉間、しわ寄ってる。



機嫌悪いみたいだし、
変に関わらないようにしよう…


そう思ってたのに、




「紫耀たちなんでそんなテンション低いの?お昼は?」


………七瀬!!


「それがな、あのパン売り切れとってん……」

「あらま」


紫耀は本当にショックを受けてるみたいだ。
渋々といった風に、メロンパンを口にしている。

うちの購買には大人気のカレー焼きそばパンがある。私には全くその良さがわからないけど、
男子はそれを求めいつもお昼になるとダッシュだ。


それが、売り切れてたらしい。




「お、Aの弁当うまそ。もーらい」


ひょいっと効果音が付きそうな感じで紫耀が私のお弁当箱から取ったのは、ミニトマト2つ。


まあ今日は沢山あるからいいか。

そう思ってたのに、




「廉もあげる」


………紫耀!!


「いらんわ!紫耀お前トマト嫌いなん知ってて言うてるやろ!」

「ばれた?」

「ばればれや!!第一、……」


永瀬くんはギロリと鋭い目付きで私を睨む。

そして、大きな溜息をついてゲームを再開する。



“女子のやつなんか食うか”
そうとでも言いたいのだろう。


ていうか!!

私だってあんたになんかあげたくないし!あげるつもりなかったし!……なんて、口には出せない反論を心の中で吐き出す。



「ごめんなA〜」


紫耀は私の頭を撫でると、
永瀬くんに渡そうとしていたトマトを口の中に放り投げた。


永瀬くん………やっぱり苦手だ。



.

010→←008



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (695 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2280人がお気に入り
設定タグ:永瀬廉 , 平野紫耀 , 岸優太
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

永瀬さらだ! - とても面白くてキュンキュンします!更新待ってます(^-^)/ (2016年7月22日 0時) (レス) id: b4f54954ad (このIDを非表示/違反報告)
HANA - 登場人物それぞれに個性があってとってもステキです…!岸が良いキャラしてます(笑)永瀬主人公の事好きになったのかな…ワクワク。 (2016年7月11日 20時) (レス) id: cf4532532b (このIDを非表示/違反報告)
されなん(プロフ) - 廉くんが好きすぎます!そのキャラ完璧...☆更新めっちゃ楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年7月9日 0時) (レス) id: fbc96f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
〔 ? 〕 ゆいふる . 。(プロフ) - 面白いです、更新頑張ってください(o´∀`o) (2016年7月6日 17時) (レス) id: 217979b564 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 面白いです!!更新頑張です (2016年7月5日 20時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆるちゃん。 | 作成日時:2016年6月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。