となりのムスッとくん。- Ren.N -

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お昼の時間、最早当たり前のように
隣で昼食を食べてる永瀬くん。


永瀬くんは自分の中で勝手にパンのイメージがあったけど、机には淡い青色のお弁当箱が開かれていて、中には唐揚げだったり卵焼きだったり、
美味しそうなおかずが沢山入っている。


あ、ミニトマトもある。美味しそう。




「なあ」

「なに？」

「口開けて」

「え？どうして？」

「ええから、目つむって口開けて」


渋々、永瀬くんに言われた通りにする。


すると口の中に何かが放り込まれる。
予想はしてたけど突然の事にビックリして、
目を開けてしまう。


「わっ！」


そこには、どアップで、永瀬くんの反応を伺うような楽しそうな笑顔。


「どう？美味い？」

「んー……」


冷たくて、丸くて……噛んでみたら、汁が出てきた。・・・美味しい！トマトだ！



「美味いみたいやな、その顔は」

「えっ、どんな顔してる？」

「幸せそうな顔や。」



永瀬くんはご飯を口いっぱいに詰め込んでモゴモゴしながらそう言って、微笑む。

なんだかヤギみたいで可愛い。






・・・なんか、拍子抜けだ。

この前まで怖い！話せない！って思ってた永瀬くんと今は一緒にお昼を食べている。会話も普通に出来るし、ちょっと前のことなのに嘘みたい。




「そういえば永瀬くん、トマト苦手だって言ってたよね」

「は、！？苦手ちゃうし！」

「だから私に食べさせたんだ」

「ちゃうってば！」

「もう食べてあげない」

「知らん、食え」



永瀬くんに次々に口にミニトマトを放り込まれる。いくらミニだと言っても３個入ったら口はまん丸になってしまう。

そんな私を見て永瀬くんはブッと吹き出す。




永瀬くんのお母さん、永瀬くんがトマト苦手なの知っててこんなにいれたのかな……？





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