となりのムスッとくん。- Ren.N -

032 ページ32

.



七瀬とふざけたり、寝そうになりながら授業を受けたり、そんな感じでいつも通りの1週間を過ごす。


ひとつ変わったことといえば、
永瀬くんに睨まれなくなったこと。
あんなに怖いと感じていたはずの永瀬くんだけど、話しかければ返してくれるし、前のように怖いとは感じなくなっていた。

あ、あと抜き打ちの小テストがあったことも。




そして今日は土曜日。



「春人、お前なら出来る。頑張れよ！」

「……ん」

「今までの努力を発揮してこい！」

「わかったって、暑苦しいな」



今日は春人が今まで頑張ってきたバスケ部の集大成、最後の大会だ。今日は家族みんなで応援に行く。

でも春人は至っていつも通りで、試合に出ないはずの優太の方が落ち着かない様子だ。



そしてやっぱり、バスケ部は人気があるみたいで、会場の体育館は前と同じく熱気に包まれ、女の子達がキャッキャと騒いでいる。

中にはうちわを作ってる人達もいて、
アイドルかよ、と優太がとなりで突っ込む。
それはもちろんコソッとだけど。


でも、そんな光景に何だか青春を感じる。

しゅわしゅわのサイダーを飲みたくなるような、そんな感覚。



どうか、春人たちが勝ちますように。

体育館に鳴り響く笛の音を聞きながら、そう祈った。





.

033→←031

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す