となりのムスッとくん。- Ren.N -

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真夏の日曜日、蒸し暑いなかバスケを頑張る春人の練習試合を、優太と見に行く事になった。
春人は来るな来るな言ってたけど、
内心嬉しいんじゃないだろうか。




「うっわ、人多い！女多い！」

「嬉しいくせに」


“うるせーよ”といって頭を叩いてくる優太だけれど、顔はニヤニヤとしてる。気持ち悪い。

兄弟の中で1番年上なのに隼人に先越されて彼女いないもんね、こういう場所でも出会いは大切にしなきゃ。(馬鹿にしてないよ)



「あ！春人だ！わ、女子にタオル渡されてる！」

「マジだ！！！あいつモテるんだな！
おーい春人ーーー！！」

「うざそうにしてるよ。
……あの女の子ちょっと目が怖いね」

「あー確かに性格悪そうな顔だな」




試合前の暇な時間、優太とペチャクチャ
喋ってたら視線を感じ周りを見渡すと
試合を見に来ている大勢の女の子たちが
こちらを物凄く見てることに気付く。

・・・え、なに？




「……なんかこえーぞ。」


優太は小声でそう呟くと俺トイレ行ってくる！
なんて言い残して逃げていく。

……１人って。女の子たち怖いんだけど。



わ、わたしもトイレ行く！！



観客で溢れた二階席を人混みを掻き分けて
進み、階段を降りてダッシュでトイレに
向かっていたら、



「わ！」「うお！」

「す、すいません！」


角から飛び出してきた人と結構な
勢いでぶつかってしまう。




「………って、永瀬くん！？」

「は？……あ！お前、」


予想外にもぶつかった人は隣の席の永瀬くんで。

永瀬くんは驚きと憂鬱さが入り混じったような表情をしている。
初めて私服を見たけど、凄くお洒落だ。
でも、気だるそうに首を触る指先にはゴツめなリングがついていて、…やっぱり少し怖い。



「…弟の練習試合見に来たの」

「…………別に聞いてへんし」

「…永瀬くんは？」

「人の話聞けや。……別にお前に関係ないやろ」

「じゃ、じゃあ私忙しいから！またね。」

「……………は？」



たまたまこんなところであうなんて、
珍しくてびっくりしてしまった。

それにしてもやっぱ怖いな〜永瀬くん。


「あ、優太！もう！！１人にしないでよね」

「ごめんごめん、わりとガチでションベンしたかった」

「あーもう！試合始まっちゃうよ、急いで！」




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