娘じゃないもん **りりの場合**

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一睡も出来ないまま迎えた朝

娘が、りりが
ヒョンの家にいるっていう連絡が来たのが
夜明け前


本当の父親なら...すぐにでも連れ戻しに行くんだろうか？


だけど、ヒョンならりりの気持ちを上手く聞き出してくれる気がして
ヒョンに言われた通り昼まで待とう

なんて考えてるのは
逃げてるんだろうか？

自分なりに愛してきたし
本当の娘と同じ様に愛しく思ってるりり


“私が居なくなれば家族水入らずになるでしょ？”


心の底に少しでもなければ...出てこない言葉だろ？
いつから...そんな風に思ってた？
そんな風に思わせる何かがあったなら
僕は、反省して謝らないと
そしてりりに愛してるって伝えないと


白み始めた空に急かされる様に
身支度を整えてると

やっぱり眠れなかったのか
ひどく辛そうな顔の彼女が


｢ごめんなさい｣


と言ったその言葉に腹が立った

｢何に対して謝ったの？
僕ら二人の子供だって...僕は思ってるよ？

昨日のりりの事をもし謝ったんだとしたら
それは僕に失礼だよ｣

そりゃ、血は繋がってない
君も、僕も、りりも
解ってる事だけど
あんなに小さい時から一緒に育ててきたじゃないか？

｢あ...違...
咄嗟に...ごめ...｣

｢...僕も...ごめん
寝てなくて気が立ってる

だけど、これだけは忘れないで
りりだって僕の可愛い愛する娘なんだって

３人それぞれ個性が違うけど
同じだけ愛してるって

君と同じなんだって｣

｢うん...そうよね...
一緒に...悩んで解決しないと...ね｣


お互い次の言葉が出なくて
なんとなく張り詰めた空気の中
携帯の震える音が
それを破った


“今起きた、今からこっちに来い
玄関は入れるようにしてるから
りりに気づかれねぇ様にこっそり入って来い”



ヒョンからのメッセージを
見せて

｢行ってくるよ

君は、後の二人のケアをして？｣

そう言うと

｢解った。お願いね｣

って頷いた

昨日の騒ぎでるるも、ららも傷ついた筈だから
オンマから離れようとしないらら
一人で寝たくないってここに来たるる

オンニの話を聞いてくるからね

アッパも怖いよ
りりが、どう思ってたのか知るのは

無意識のうちに娘を傷つけてたのかも

そんな事を考えるのは

だけど、どこかで間違えたなら
修復しなきゃ
怖くても、辛い現実を目の前に突きつけられるとしても...

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