娘じゃないもん **りりの場合**

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｢スヒョーン！歩くの早いよ！｣

話が終わると小走りで走っていって
彼氏の手を握ったソヒ

うーん...
行くべきなのか...
このまま後ろを歩くべきなのか...

悩んでいると
チラッと振り向いたジヌ君が
少し歩調を弱めて
自然に隣を歩いてくれてた


｢ありがとう｣

｢ん？｣

｢気を使ってくれて
ありがとう(笑)｣

｢気？

あぁ(笑)
あそこは居づらいよ(笑)｣


前を見るとしっかり手を繋いで
ニコニコ話しながら歩いてる２人


｢確かに(笑)
そうだね｣

｢だろ？

えっと...りりちゃん
って呼んでいいかな？｣

｢うん。

ジヌ君でいいの？｣

｢うん。

それから、それ、貸して？｣

って私の前に手が伸びてきて

｢どれ？｣

って聞くと
私の大きな鞄を指さして

｢それ、重そうだから(笑)｣

｢これ？
重いからいいよー(笑)｣

｢重いなら、なおさら貸して(笑)｣

なんて言いながら
自然に私から鞄を奪って
ヒョイって肩にかけて歩き始めた

｢あり...がと

重くなったら言ってね？｣

｢重いね(笑)何が入ってるの？｣

｢え？やっぱり私が！｣

｢ウソウソ(笑)この位なんて事ないよ(笑)｣

｢もう(笑)｣



ジヌ君は思ってたより話しやすくて
前を歩く二人を見失わないようにしながらも
学校の話とか色んな話をしながら歩いていると

すぐ隣にあるジヌ君の手が時々私の手に当たって
その度になんだか

ドキドキ

して
これが、もしかして
みんな言ってる事なの？



そんなことを考えながら歩いてると
ふと、雑貨屋さんのショーウィンドウが目に止まって
思わず立ち止まってしまった


｢りりちゃん？｣

ジヌ君の声にハッとして振り向くと

｢あいつら、先に行っちゃったよ？｣

｢え?!やだ！ごめんなさい｣


って言った私の手をジヌ君が握って

｢行くよ！｣

って走り出した

｢え?!｣



グイって引っ張られる手に導かれるみたいに
私も走り初めて

今日初めて会ったのに
手をつながれても嫌じゃない

何となくそんな自分が不思議で
思わず顔がほころんでた

横を少し見上げると
やっぱり笑顔のジヌ君が居て

私が見てる事に気づいて

｢あ！ゴメン！｣

って顔を赤くして
繋がれてた手が離されたんだ

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