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「ふふ、ごめん(笑)とにかく、櫻井くんは大丈夫。なんか、力になれそうなことがあれば協力するし」
『ほんまに？…そしたら、』
「うん」
『早速ひとつ、お願い聞いてもらいたいんやけど』
「はやっ」
『だって次いつ会えるかわからんし、伝えるなら直接がええし』
「なるほどね。で、お願いってなに？」
『えっと、』
櫻井くんは自分の鞄にクッキーの小袋とネクタイの箱をしまいこむと、軽く咳払いをしてから改めて私の方に向き直した。
『こんな改まった感じで言うのもめっちゃ恥ずいねんけど』
「うん？」
『さっき、力になれそうなことがあれば、って言うてたやんか。なんていうか、Aちゃんとこうして会ってる時間がもう既に力になってるというか。一緒にいて、心地良えなぁって。櫻井は、毎回思っている、のですよ』
「は、はい」
なんとなくいつもとは違った、ちょっぴり緊張感のある、けど妙にフワッとした感覚。なんだかこっちまで改まってしまう。
『ほんまは、卒業公演終わって全部落ち着いてから言おうと思ってたんやけど』
「…うん、」
月明かりに照らされた櫻井くんの顔は儚くて優しくて
困ったなぁ、これ以上見つめていたら好きが溢れてしまいそうになる。
なんて思っていた矢先に、やんわりと両手を包まれて
『これからもずっと一緒におって欲しい。
僕の、彼女になってくれませんか』
トクン、
"会いたかった"と言われたあの日と同じような胸の高鳴りが聞こえた。
これは現実？あの捲し立てるようにめんどくさがっていた人と同じ人？？私で良いの？？？
あまりにも突然の告白に、一瞬にしていろんな感情がごちゃ混ぜになったものの
当たり前にはっきりと答えは決まっていた。
「私もずっと、櫻井くんの隣で笑ってたい、です」
ギリギリ持ち合わせていた正気を引っ張り出して手を握り返しそう伝えると、安心したように微笑んで
「わっ、」
あっという間に櫻井くんの腕の中へ引き寄せられた。
「櫻井くん、」
『なに』
「ここ、外」
『誰もおらんからへーき』
「もう…」
『はあ、緊張した』
「ん、すっごい伝わってた」
『けどこれで卒業公演頑張れるわ』
寒空の下、櫻井くんの体温と鼓動を感じながら
この先も続いてゆくであろう心地の良い日々に想いを馳せる。
今日は、
櫻井くんとの関係性が大きく前進した、忘れられない日。
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
