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私も今日は食べすぎちゃったしなぁ、とぼんやり思いながら
櫻井くんの歩幅に合わせて歩みを進めていると
「あ！」
『えっなにびっくりした』
「すっかり忘れるところだったわ」
『もしかして用事あった？』
「うん、櫻井くんに」
『あ、え？櫻井に？』
「そう」
せっかく今日が絶好のチャンスだと思って持ってきたのに
危うく渡しそびれたまま帰るところだった。
人通りのほぼない歩道の真ん中で立ち止まり、
鞄の中から"渡そうと思っていたモノ"を取り出すと
『あ！』
さすがにパッと見てそれが何か分かったのか
傍から気持ち１トーン高めの声が聞こえてくる。
「はいこれ」
『出た！バレンタインやぁ』
そう。日付は2日ほど前だけれど
渡したかったモノの正体は、バレンタインデーのお菓子。
櫻井くんにあげるのは実は今回が初めて、というわけではない。
いつだったか自分用に手作りしたチョコクッキーを横取りされて『めっちゃ美味いやん』と食べてくれたのが嬉しくて、仲良くなって以降、なんだかんだ毎年あげている。
「今年は忙しそうだし渡せないかな、と思ってたけど」
『えー嬉しいわ。チョコクッキー？』
「いえす。代り映えありませんが良かったら」
『食べる食べる！めっちゃ美味しいやつやぁ、ありがとう』
「あとね、」
『うん、なに？まだあんの？』
その通り。今年はちょっと特別だから。
もうひとつ、鞄の奥にしまいこんでいたリボン付きの細長い箱を渡す。
『なに…え、』
「これは、ちょっと早いけどNSC卒業祝い」
『うわっ待って、好きなブランドの、』
「うん。そこのね、ネクタイ。櫻井くんがどんな芸人さんになるかわからないけれど、仕事で使ってもらえたらなと思って」
『いや絶対使うし、もーなんなんちょっと待って…。ちょ、ほんまに嬉しいねんけど』
「あはは、想像以上に喜んでもらえて良かったわ」
プレゼントの箱を両手で持って感激している櫻井くんの少年のようなあどけない表情を見ていたら
今の気持ちをちゃんと伝えなければ、と咄嗟に思った。
「…あのさ、櫻井くん」
『なに？』
「私、応援してるから。櫻井くんのこと。櫻井くんのその…独特な言い回し、ワードセンス？凄く面白いし、祇園はきっと有名になると思う！うん、なんとなくだけど！」
『いやなんとなくかい』
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
