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今日は予期せぬ祭りかなんなのか。
いつもなら何も言わずに放っておいてくれる彼が踏み込んでくるなんて、珍しい。
いや、下手したら今日が初めてかもしれない。
とはいえ、
このまま体をひっつけて甘えられるほど
可愛いらしい性格をしてるはずもなく
「…別に？」
珍しく差し伸べてくれた彼の手を
そっけなく離してしまった。
ほーん。と興味なさそうに返事をしてわたしの背中を通り過ぎる櫻井くん。
その後ろ姿がやけに遠く感じて
リビングを繋ぐドアノブに手を掛けたところで
「櫻井くんっ、」
無意識の内に、彼を呼び止めていた。
『んー？』
だって、ほんとは
「えっ、と…」
ほんとはね、
『ご、よん、さん…』
「やっぱ！！！
やっぱり、話、聞いて欲しいなぁ…なん、て。」
言葉尻弱めに正直な気持ちを打ち明ければ
しん、と静寂に包まれる空気。
耐えきれなくて視線を足元に向けた。
ああ、めんどくさ。って思われたかも。
きっと櫻井くんも仕事で疲れてるはずなのに。
こんな空気になるなら言わなきゃよかった。
じんわりとネガティブが脳内を蝕み
甘え下手な自分が嫌になって自己嫌悪に陥ったのも束の間。
櫻井くんがこっちに近付いてくる音がして、ゆっくり顔を上げると
「！！！」
唐突に両手でほっぺをむにゅっと挟まれた。
『はぁ。ほんま可愛くないわぁ。』
誰かさんのせいでほっぺが潰れてタコ唇になってる私を見て、嫌味ったらしくそう呟くから
「むっ…！」
無理矢理にでも言い返そうとしたのに
『でもさ、』
前より素直になってきたやん。
なんて、
温かくて柔らかい笑顔を見せられて
何も言えなくなった唇に
「っ、」
ちゅっ、と可愛らしく音を立ててキスが降ってきた。
『…さ、メシ食お。腹減ったわ。』
一瞬にして甘い空気を遮断した櫻井くんの耳は、まだほんのり赤く染まっていて。
明日も櫻井くんの分までアイスを買っておこうと心に決めた。
-end-
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
