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『え？』
「もうほぼほぼ決まってるんでしょ、どうせ」
『…やっぱ、わかる？』
「ダダ漏れ」
今すぐにでも写真に収めたいくらい、良い顔してるもん。
そっか、と伏し目がちに笑う姿すらも。
夢や目標に向かって突き進もうとしている人の顔ほど美しいものはないんだよ、櫻井くん。
今日はやたらと、1秒1秒が画になっていく。
『遅くなってごめんな』
「ううん、明日2限からだし大丈夫」
いつもは駅前で解散するところを
珍しく櫻井くんが家の近くまで送ってくれることになった。
彼曰く、『僕はたくましいから大丈夫やけど、さすがに22時過ぎて女の子を1人で歩かせるわけにはいかない』らしい。
たくましいとは程遠いスラッとした体型をチラ見して「ソウネ、タクマシイカラタノモシイ」と返せば『絶対思ってないやつの声やん』とあっさりと見抜かれる嘘。
こんな他愛もないやりとりは、これからも続いていくのだろうか。
今後櫻井くんが一切学校に来なくなれば、ノートを見せるという口実もなくなって、よっぽどのことがない限りは一切会わなくなるかもしれない。
…というか、
「ねえねえ櫻井くん、」
『んー？』
「そういえばなんだけど」
『はい』
「その、結局のところ、NSCに通ってるから学校に来れてないわけでしょ？」
『うん』
「で、明日からもまた来れなくなるでしょ？」
『おそらくそうなるかもなぁ』
「…そしたらノート写した意味あった？」
ふと気になっていた。
彼から事情を聞くまでは何も分からなかったし、役に立てればと思ってノートを見せていたけれど。
事情も分かって学校にもこれから来ないとなれば、ノートなんてなんの意味も持たなくなる。
『…あー、』
軽い気持ちで聞いたはずなのに、なんだかバツの悪そうな声が聞こえてきて櫻井くんの方を向いた。
『いや、まあ、クラス分け…どうなるか分からんかったし。Aになってももし合間縫って行けるんやったらとか色々考えて、念のために、と思って』
「そっか、たしかにね」
『あと、』
「うん？」
『単純に、会いたかってん。Aちゃんに』
相変わらず視線を合わせず、けど
ひどく優しく温かい声で喋る櫻井くんの一言に
トクン、と胸が高鳴る。
そしてこの音が何を意味しているのか
充分に、苦しいくらいに知っている。
願わくば、
私はこれからもずっと
櫻井くんの隣で笑っていたい。
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musubi.(プロフ) - ユキさん» 貴重なご意見ありがとうございます！作者としましては櫻井さんもまた中々に捗りがちなので、移転先でもちょこちょこ作品を投稿したいと考えてます^_^ (2021年9月10日 20時) (
レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - こんにちは。どのお話も素敵で大好きですが、櫻井さんのお話が本人のイメージにぴったりでした。更新楽しみにしています。 (2021年9月9日 20時) (レス) id: 03f475eb75 (このIDを非表示/違反報告)
musubi.(プロフ) - na__175さん» まさか感想をいただけるとは…！この度はコメントいただきありがとうございます！今後も、リアルでキュンとする作品をお届けできればと思っております^_^ (2021年9月5日 22時) (レス) id: 2c2c22a77b (このIDを非表示/違反報告)
na__175(プロフ) - 野田さんの作品、セリフの感じが本人ぽくてキュンときました、、、、また楽しみにしています！ (2021年9月5日 20時) (レス) id: 24730842e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：musubi. | 作成日時：2021年1月12日 23時
