結び、繋がる

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蓮


明日は月曜日。

学校に行く準備をしながら、ラウールの忘れ物が無いか確認してって照くんに頼まれてる。



ラ「チョコって高いよね。ガムと違って、いっぱい買ったらすぐお小遣い無くなっちゃう」

蓮「チョコなら俺が買ってあげる。何がいい？」

ラ「えっとね、ナッツが中に入ってるやつ。
…でもね、友達と一緒に買いたいからいいや」

蓮「そっか。じゃあ…ラウのお小遣い増やしてもらえるか、照くんに聞いてみるね」

ラ「うーん…」




ラウは2年生だから、確かお小遣いは200円。

お菓子買ったらすぐなくなっちゃうよね。

照くんにお願いしてダメだったら、俺から毎月100円ずつあげればいいんだ。

お金なんて、俺なんかが持ってたって意味ないんだし。
だったらラウが使ったほうがよっぽど有意義だ。







自分の支度は終わって、あとはラウの中身のチェック。

メタリックシルバーのランドセルが、よく似合ってる。



ラ「やば、国語のノートもうすぐなくなりそうなんだった」

蓮「俺、学校帰りに買ってこようか？」

ラ「…蓮くんさあ、そういうの、もういいよ。そろそろうざい」

蓮「っ、うざい…？」



まずい。
ラウールを怒らせてしまった。



ラ「買ってくれるのはありがたいけどさ、中学校からお店行くのは遠回りでしょ？自分で行くし。
それに、お小遣いも蓮くんにお願いしてもらわなくたって自分で言うし。

ずっと思ってたんだけどさ、蓮くんが優しすぎて、いいお兄ちゃんすぎて、僕は逆に苦しい気持ちになるよ」

蓮「…！ごめん。ごめんねラウール。
もうしないから。お願い、許して」



ラウールに嫌われたら、俺、もうやっていけない。

ラウールに必要とされなかったら、居場所が、存在価値が、なくなってしまう。

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