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照
11月末。
風が冷たく、コートが手放せなくなってきたけど、病院の中は季節を忘れたように適温だ。
週末に亮平とラウを連れて蓮の病室を訪れると、ベッドに沈み込んでぼーっとしていた。
蓮「あ、よいしょ…」
俺たちに気づいた蓮は、力を振り絞るように、緩慢に身体を起こす。
照「無理して起きなくていいよ」
蓮「ううん。寝すぎて身体怠いから」
多分、それは寝すぎだからじゃないよ。
病気のせいで体力がなくなってるんだよ。
そして、久しぶりに蓮の姿を見たラウールの視線の先に気づく。
蓮「あー、やっぱ気になる？
髪の毛…ほとんどなくなっちゃった」
ハハッと無理して笑った蓮。
思春期の男子、気にならないはずはないよね。
蓮「びっくりするよね。ごめんね、ラウ」
ラ「う、ううん」
動揺が隠せていないラウ。
そんなラウに蓮も気づいていて、苦笑しながら、ごめん、ごめんと謝っている。
蓮「そうだ、渡したいものがあって…」
そう言って開けにくそうにバッグのファスナーを引っ張った。
手伝ってあげて開けると、蓮は袋と手紙を取り出しておずおずと亮平に差し出す。
蓮「ラッピングとかできなくてごめん。いつも勉強、頑張ってるから、これ食べて息抜きしてね」
亮「えー、蓮、ありがとう！」
あんなの、売店に売ってたっけな。
だいたい、部屋から出るの、禁止じゃなかった？
蓮「あとね、これはラウね」
そういって取り出したのは、曜日ごとに手書きでまとめられた、学校への持ち物チェックリストだった。
蓮「ランドセルに入れたものからチェック入れてってね。
たぶんラウなら、これあれば一人で支度できるよね」
ラ「うん。一人でできる！
蓮くんありがとう！」
蓮「よかった…」
満足そうに微笑んだ蓮は、ストンとベッドに身体を預け、亮平とラウの嬉しそうな会話を笑顔のまま、何も言わずに頷きながら聞いていた。
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ぴこりーの - 天才的な作品です！大好き (5月6日 3時) (
レス) @page50 id: a68e6058a0 (このIDを非表示/違反報告)
sayu(プロフ) - ミケプリンさん» いつもエールをくださりありがとうございます！蓮くんにはとびきりの幸せが待っていてほしいですね😊感情移入していただけて嬉しかったです。読み返していただいて新たな発見があったらいいな〜 (3月7日 23時) (レス) id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
sayu(プロフ) - さゆらさん» さゆらさんコメントありがとうございます！幸せな雰囲気のお話、お見せできる日がくるといいなと思います。また新しい箱を作って公開することがあればまたぜひ遊びに来てください✨ (3月7日 23時) (レス) id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
sayu(プロフ) - はにさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も好きな作品をそのような読み方するので、そう言っていただけて嬉しいです🥹結末は想像通りでしたか？はにさんは同志ですので一緒に達成感味わっちゃいましょ！ (3月7日 23時) (レス) id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
sayu(プロフ) - ゆきこさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！希望を見出していただける終わり方になってましたかね？ゆきこさんの心に届いて嬉しいです❤️ (3月7日 22時) (レス) id: 5756981143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sayu | 作成日時：2024年1月16日 19時
