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.．体育教諭から、今日の授業の旨を伝えられる。前半１５分でバレーボールのトス練習、後半１５分で試合、二回。片付け、まとめ、振り返りも時間内に収まるように、と。
わたしは自分の属する班のまとまる輪に混じる。「いくねー」と朗らかに一人の女子生徒がボールを高く上げた、
そのときだった。
しゃん、しゃん、しゃん、しゃん。
これは、鈴の音、しかし何故。この疑問を共有するように前を向いても、皆この音がまるで聞こえてないようにバレーボールのパス練習を続けている。しかし鈴の音も止むことはなく、しゃん、しゃん、時折和太鼓や和笛などの音色も耳につくようになった。
そして突然、体育館の重いドアが勢いよく開かれて、物凄い轟音が体育館中に響き渡る。
０.５秒ほどの小さな静寂を挟んでは、一人の女子生徒が甲高い悲鳴をあげた。
その声を合図にしたように、生徒達は「え？」「何、なんなの！？」「風にしては不自然すぎるよな」などと言ってざわめきだす。
わたしは開いた扉の奥の闇を眺めた。どうしてかその闇が暗く見えてしょうがない。胸に宿る違和感に悶々としていたら、主は現れた。装束を装っており、顔は能の仮面で封じられている。
とにかく、胸騒ぎが酷かった。ざわざわと揺れるその粗目の心はどくん、どくんと激しく躍動している。
闇から装束はまだ出てくる。ぞろぞろと、丁寧に歩行している。
わたしは身動きがとれなかった。ただ恐怖が全身を支配して、びりびりと痺れた。
装束は体育館を二分するように中心を歩いている。入り口とは反対側の奥の辺りでトス練習をしていたわたしたちのもとへも、徐々に近づいて来ていた。
きゃあぁ、と複数の悲鳴は続いている。その中で、「ちょっと、詠見さんっ！」と、自分を呼ぶ声がした。
逃げたい、逃げたい。それでも身体はがっちりと動かないままだ。死ぬ、と咄嗟に感じた。装束は、わたしの目の前で止まっていた。
そして一人の装束が、わたしのに向かって、ぬっと仮面で覆われた顔をつきだす。その仮面の口元は、いやに弧をえがいていて、恐怖は増した。おそろしかった。
その装束は、自身の身体を右にひねった。それからその勢いでわたしの水月の辺りに手をぐっと突き刺す。
そのとき、恐怖や痛覚よりも、一驚の方が大きく全身を駆け巡った。
刺された、そしてその手はわたしの身体を貫通している。ぐちゃぐちゃと、内臓を荒らすような音が響いている。
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緋野こおり(プロフ) - 春光さん» コメントされるって、すごく嬉しいことです。私自身も、作品を本当に愛していて、そしてそれが、届くべき人に届いているだなんて、そんな幸福なこと、ありませんから。本当、ありがとうございます。 (2022年4月24日 14時) (
レス) id: a227e14c30 (このIDを非表示/違反報告)
春光 - またもやコメント失礼します!! 話が進んでいくにつれ私の興奮が…やばいです!!!! これから応援しています。楽しみに待っております。(^o^) (2022年4月17日 20時) (レス) @page43 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
春光 - とても面白いし読みやすくて好きです!!（なんか上から目線みたいになってすいません(╯_╰)）続き楽しみです (2022年4月3日 15時) (レス) @page30 id: 51abf968eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うずのしゅげ x他1人 | 作者ホームページ：https://twitter.com/8YgT1yhKwYPDEd7
作成日時：2022年2月18日 22時
