水泡少女とヒーロー４７ ページ48
皆は『必殺技』という言葉を聞いて、ガッツポーズをしたり、その場に立ち上がったりなど、全身で喜びを表していた。
「必殺！コレスナワチ必勝ノ型・技ノコトナリ！」
「その身に染み付かせた技・型は他の追随を許さない。戦闘とはいかに自分の得意を押し付けるか！」
「技は己を象徴する！必殺技を持たないプロヒーローなど絶滅危惧種よ！」
「詳しい話は実演を交え、合理的に行いたい。コスチュームに着替え、体育館γガンマへ集合だ。」
「トレーニングTの台所DランドL。略してTDL！！！」
りん(いや、USJもだけど、アウトでしょこれ)
そう思っていると、セメントス先生が個性を発動させ、床隆起し始めていた。
「質問をお許しください！何故仮免許の取得に必殺技が必要なのか、意図をお聞かせ願います！！」
飯田くんがビシィッと手を上げて、先生達に『くわっ』という擬音が聞こえそうな勢いで質問をすると、先生は「順を追って話すよ。落ち着け。」と冷静に返した。
先生達の話によると、ヒーローとは事件・事故・天災・人災。あらゆるトラブルから人々を救い出すのが仕事である。取得試験では当然その適性を見られることになり、『情報力』『判断力』『機動力』『戦闘力』。それいがいにもにもコミュニケーション能力、魅力、統率力など、多くの適性を毎年違う試験内容で試されるらしい。
その中でも戦闘力は、これからのヒーローにとって極めて重視される項目となる。技の有無は合否に大きく影響するらしい。状況に左右されることなく安定行動を取れれば、それは高い戦闘力を有していることになるそうだ。
例えば、飯田くんの“レシプロバースト”のように、攻撃技でなくとも、一時的な超速移動自体が脅威である為、『必殺技』と呼ぶに値するそうだ。
「アレ必殺技で良いのか…！！」
「なる程…自分の中に『これさえやれば勝てる』って型をつくろうって話か。」
「そ！先日活躍したシンリンカムイの『ウルシ牢獄』なんか、積極的な必殺技よ。わかりやすいよね。」
りん(なるほど…)
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作者名：KARMA | 作成日時：2024年1月8日 22時
