水泡少女とヒーロー (ページ46)

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水宮少女とヒーロー４５ページ46

「彼の引退によって、しばらくは混乱が続く…。ヴィラン連合の出方が読めない以上、今雄英から人を追い出すわけにはいかないんだ。行った5人はもちろん、把握しながら止められなかった12人も、理由はどうあれ、俺達の信頼を裏切ったことには変わりない。正規の手続きを踏み、正規の活躍をして、信頼を取り戻してくれるとありがたい。以上！さっ！中に入るぞ、元気に行こう。」
「「…………」」

そう言うと、相澤先生は皆に背を向け、寮の中へと歩みを進めた。一方皆は、暗い空気を纏って俯き、全く動こうとせずにいた。
りん(相澤先生、元気には無理かと…)

周囲を静かに見回していると、爆豪くんが眉間にシワを寄せたまま、切島くんと上鳴くんの事をジッと見ていることに気づいた。

「来い。」
「え？何やだ。」

　爆豪くんは無言で上鳴くんに近付くと、「来い」と一言言って首根っこを掴んで引きずり、茂みの奥へと姿を消した。そして、放電された光が見えた後、親指を立てながら、アホな顔になった上鳴くんが「うぇ～～～～い…。」と言いながら姿を見せた。

「うぇ～～～い…。」
「！！」
「バフォッ！！」
「何？爆豪何を……」
「切島。」
「んあ？…え、怖っ！何！カツアゲ！？」
「違ぇ、俺が下ろした金だ！小遣い叩いたんだろ？

ツボにハマった耳郎ちゃんが、口許に手を当てながら思わず吹き出していると、今度は切島くんに近付き、お札を渡すようにスッと差し出した。

「あ…おめー、俺が暗視鏡買ったの誰に聞い…。」
「いつまでもシミったれられっと、こっちも気分悪ィんだ。いつもみてーに馬鹿晒せや。」
りん(爆豪くんになら、言ってもいいかな？…)

────

「1棟1クラス。右が女子寮、左が男子寮と分かれている。ただし一階は共同スペースだ。食堂や風呂、洗濯などはここで。」
「広キレー！！そふぁああ！！！」
「おおおお！」
「中庭もあんじゃん！」
「豪邸やないかい。」
「麗日くん！」
りん(雄英、どっから金でてんの？)

風呂・洗濯が共同と聞いた峰田は、相変わらずの反応を示した為、相澤先生は釘を差した。

「部屋は二階から、1フロア男女各4部屋の五階建て。一人一部屋、エアコン、トイレ、冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間だ。」
「ベランダもある、すごい。」
「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね…。」
「豪邸やないかい。」
「麗日さん!?」

私の部屋は、5階の八百万さんの隣だ
さっそく、部屋へ行って荷物を片付けた。